日本サッカー協会は１９日、ハリルホジッチ日本代表監督の初采配となるキリンチャレンジカップのチュニジア戦（２７日・大分）、ＪＡＬチャレンジカップのウズベキスタン戦（３１日・東京）に臨む代表選手３１人を発表した。

　　新監督は都内で記者会見し、「この２試合はとにかく勝つためにやる。どういう方向性で戦っていくかを見せたい」と語った。

　　本田、香川、長谷部ら昨年のワールドカップ（Ｗ杯）ブラジル大会に出場した選手中心で、初選出は藤春ただ一人。代表戦で出場経験のない宇佐美、２０１２年ロンドン五輪で日本の４強進出に貢献した永井も入った。けがを抱える長友、内田、今野も、「コミュニケーションを取りたい」という監督の意向で招集された。

　　一方で、国際Ａマッチの最多出場記録を持つＭＦ遠藤（Ｇ大阪）の選出は見送られ、監督は「私は（１８年の）ロシアＷ杯に向けた準備をしている」と述べた。

　　チームは、２３日から大分で合宿を開始。２試合を戦った後は、６月に始まるＷ杯アジア２次予選に臨む。

　　また、故障離脱などに備えるバックアップメンバー１２人も発表された。柿谷、新人の車屋らが入ったが、合宿には参加しない。

攻撃活性化狙い

　　スクリーンの前に立ち、表示された選手一人ひとりの名前を読み上げていった。これまでの監督とは異なる記者会見のスタイルだけでなく、就任後初の選手選考には、ハリルホジッチ監督の独自色が表れていた。

　　１３日に来日して約１週間。新指揮官はＪ１リーグなどを視察し、連日、スタッフと会議を重ねた。顔ぶれだけを見れば、初選出は左サイドバックの藤春だけで、新鮮味には乏しい。しかし、スピードが武器の永井や藤春、昨季のＧ大阪の３冠に貢献した宇佐美を選んだことからは、攻撃を活性化させたいという狙いが見て取れる。１２人のバックアップメンバーも公表したことについては、「競争が始まることを心得てほしい」と説明した。

　　「スター選手と代われるような存在を期待している。グループで勝つことを期待する」と、組織を大切にする姿勢を改めて強調した新指揮官。２３日に始まる合宿の練習内容が注目される。（矢萩雅人）

日本代表バックアップメンバー

　　▽ＧＫ　林彰洋（鳥栖）▽ＤＦ　千葉和彦、塩谷司（以上広島）、鈴木大輔（柏）、車屋紳太郎（川崎）▽ＭＦ　高萩洋次郎（ウエスタンシドニー）、米本拓司（Ｆ東京）、谷口彰悟（川崎）、大森晃太郎（Ｇ大阪）▽ＦＷ　豊田陽平（鳥栖）、川又堅碁（名古屋）、柿谷曜一朗（バーゼル）