STAP細胞に関する論文不正の問題をめぐり、理化学研究所は20日、小保方晴子元研究員について刑事告訴しないことを決めたと発表した。これまでの聞き取り調査で得られた結果以上は望めないとして、不正の実態は解明されないまま、STAP細胞の問題の真相究明は断念するという。

　
　　この問題をめぐって理研の調査委員会は昨年12月、論文に捏造や改ざんなどの不正があったと認定し、STAP細胞とされたものは、別の万能細胞のES細胞が混入していたという結論を出した。そのうえで、退職した小保方晴子元研究員について「懲戒解雇」に相当するとして、刑事告訴をするかどうか検討を続けてきた。

　
　　理研は20日、ES細胞を混入した人物を特定し、その行為が故意によるものかどうかを立証することは難しいとして、「現時点では刑事告訴することは極めて困難だ」と判断した。

　　一方、不正があった論文を投稿するのにかかった費用については、小保方氏に返還を求め、国庫に返納するという。