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世界最高峰レベルの大学のひとつ、ご存知イギリスのケンブリッジ大学――。つい最近、地下からなんと大量の人骨が発見されたと大きな話題を呼んでいる。
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■大学の敷地内から1,300体の骸骨が出土!
…と言っても、決して物騒な話ではない。人骨には丁寧に埋葬されていた形跡があるということだ。
発見された場所は、大学内にあるセント・ジョンズ・ カレッジの地下。大学の講堂を改装するにあたり、考古学者らが以前神学校であった古い旧校舎を調査していたところ、今回の驚きの発見に繋がったという。
現場は元々、1195年に建てられたセント・ジョン・エバンジェリスト病院の跡地であり、埋葬されていたのは、この病院で人生最後の刻を迎えた人々だったのではないかと推測されている。
ケンブリッジ大学でも、中世の病院の墓地が敷地のどこかにあったことは把握していたが、正確な場所や規模はこれまで不明だったという。発掘作業中の写真から、発見された墓地の様子やスケールの大きさが伝わってくる。
専門家によると、今回の発見はイギリス国内で過去発見された中世の病院墓地の中で最大級のものであり、現在DNA分析にかけられている人骨は、中世の人々の生活や死亡原因を考える上で重要な資料になると期待されているという。
墓地の規模が大きいため、発掘調査は20ものチームに分かれて行われている。作業は半年に渡り、骨が揃っているほぼ完全な人骨を400体、そして部分的な人骨を900体ほど保護したが、それらは全て13~15世紀のものだと判明した。
■中世の病院は貧民と老人の保護施設だった
実は3年前に墓地自体は発見されていたが、発掘作業や詳細はこれまで公表されず、公になったのは先頃、英「Daily Mail」が報じたのが初めて。
ケンブリッジ大学の考古学者であるクレイグ・セスフォード氏は、「まさか自分が働いている真下にこんな巨大な中世の墓地があったとは……」と驚きを隠せない様子でコメントしている。
氏によれば、ほとんどの人骨は25~40歳の男性のものだという。病院はアウグスティヌス会(カトリック)の修道士らによって運営されており、妊婦は受け入れていなかったようだ。
人骨は何段もの層になって埋められており、おそらく墓地がいっぱいになると、さらにその上に死者を埋葬していたものと考えられている。亡くなった人々の名前などは不明だが、墓参り用の砂利道などもあったことから、死者を偲ぶ人たちが墓地を訪れていたのではないかと推測しているそうだ。また、人骨には深刻な病気や怪我を患っている痕跡はなかったという。
これはどういうことかというと、中世の病院は現代のような治療を第一の目的としたものではなく、貧しい人々や老人たちの保護施設の意味合いが強かったからではないかと、最新の考古学専門誌が伝えている。
今回のみならず、中世の人骨があちこちで発見されるヨーロッパ。一説には土壌がアルカリ性のため骨が残りやすいのだとか……。それにしても1,000体を超える人骨が一度に発見されるとは、衝撃的である。全ての発掘調査が終了し、新校舎が完成する日はいつになるのであろうか。
(文=Maria Rosa.S)