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荒木経惟
4月24日(金)から5月6日(水・休)までのゴールデンウィーク期間中、荒木経惟写真展「男 ―アラーキーの裸ノ顔―」が東京・表参道ヒルズの本館B3Fスペース オーにて、開催されている。
雑誌『ダ・ヴィンチ』での連載企画「アラーキーの裸ノ顔」は、第1回のビートたけしから現在に至るまで200人以上を撮影。写真展では、撮り下ろしも含め、2014年までに撮影した全207点に及ぶ写真作品を公開。荒木経惟の写真家人生、ポートレート作品の集大成といえる。
展覧会のオープンに先駆けて4月23日(木)にオープニング・レセプションが催された。荒木経惟に今回の写真展のこと、連載のこと、そして北野武について聞いた。
――「裸ノ顔」のシリーズを撮影することへのこだわりをお聞かせください。
【荒木】 みんな有名人だから、忙しい人もいるけれど、テレビの収録の合間とかでは撮らない。空いた時間ではなく写真を“撮る”“撮られる”という関係の時間を作らないとダメ。スタジオに来てもらってやる。そのときはバックは無地で撮る。無地にするとモデルが表現しはじめるんだよ。その人の、その時とか、過去とかいろんな風景が出るんですよ。だからこれは単なる白い無地の空間ではなくて、その人の未来とかそういうのも実は写ってるの。
――モデルはどのように決めるのですか?
【荒木】 なんでもいいんだよ、たまたま出会ったからとか、『ダ・ヴィンチ』編集部からのオススメとか、あたしがテレビを観て見初めたりとか。映画が公開になるからちょっとそれに合わせて撮ってくれというプロダクションもあるけれど、そういうので来てもOKなの。人選はごちゃごちゃ、なんでもありだね。
――先ほど無地のバックで表現させるとありましたが、引き出すコツはあるのでしょうか?
【荒木】 いろんな言葉をかけるね。本人が気づかないところにも気づいてあげるとか、隠してるところ。ほんとは悪いやつなのに隠してるやつとかさ、そういうのを引っ張りだしてあげるの。案外男はナルシストだから喜ぶんだよ。かける言葉は2人だけの関係だから、決まった言葉はない。まあ、一種の恋愛だね。
カメラはペンタックスの「6×7」シャッター音が「ガシーン!」って、いいんだよ。その音を相手の呼吸と合わせる。フィルム1本で10カット撮れるからそれでガチンとやる。1本目で様子をみて、2本目からが勝負だね。採用になるカットは大抵2本目の1発目か最後。これは、2人の関係性にちょうど火花が散ったときか、もしくはそこから2、3分過ぎたときのラストのショットを選ぶということだね。デジタルはダメだよ。デジタルは勝負下着しか映らないんだよ、日常履いてる下着を撮ろうと思ったらフィルムじゃないと映らない。
――「裸ノ顔」ということですが撮影のときにヘアメイクなどはしないのですか?
【荒木】 顔はあれだけど(中村)獅童なんかは、歌舞伎のやつだから自分でやるからさ。来てから(メイクルームに)こもって、こう髪をピーンと立ててたよ。そういうのはね。基本は本人がしたいならしてもいい。私は向こうが表現したものを複写するだけ。写真というのは裸を撮ることだからね。まあ、真実か嘘かわからないけどね。男の裸っていうのは顔だから、でも女性もそうかな。ヌードを撮るときにいろいろなところを撮るけれど、でも一番最後にシャッターを押すのは顔だね。顔に引っ張られる。
――17年の連載の中で2回以上撮られた方はいらっしゃるのですか?
【荒木】 タブってるのは永遠に不良に磨きをかけている北野武という男だけだね。写真集は最初がたけしで、最後も武。1回目はバイク事故から2、3年経ってすごくやる気がでてきた時のなのよ。いちばん「生」に向かって、生き生きしている“進行形”のときだね。最初から不良だけどさらに磨きをかけて、いい顔になったなあ、不良から大不良になった。
なぜ武を選んだかというと、いま一番いい顔だから。時代を象徴するということではなく、いい時を持ってる。まあ、とやかくガタガタ言ってるけど実は「好き」なだけだよ。
展覧会のために一区切りという意味で今回は武でまとめたんだけど、「裸ノ顔」はこれで終わりじゃない。
やはり男の顔は面白いね。その人のいろんな弱みとか強みとか卑怯なとことか全部入れ込んで、その人となりというか姿勢というか個性をパッと捉えるという。そうすると汗かいてきますよ。
<開催概要>
ダ・ヴィンチ創刊20周年記念事業
荒木経惟写真展 「男 -アラーキーの裸ノ顔- 」
2015年4月24日(金)~5月6日(水・休)
11:00~21:00 入場無料
表参道ヒルズ 本館地下3F スペース オー
※4月26日(日)~20:00、5月6日(水・休)~18:00
主催:「アラーキーの裸ノ顔」実行委員会
協力:株式会社写真弘社/株式会社東京スタデオ/丸栄タオル株式会社
協力:株式会社クラフト
企画協力:内田真由美
問い合わせ: 03-3497-0310( 表参道ヒルズ 総合インフォメーション)
<写真集情報>※好評発売中!
『男 アラーキーの裸ノ顔』
荒木経惟
KADOKAWA メディアファクトリー 5000円(税込)
本記事は「ダ・ヴィンチニュース」から提供を受けております。
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