政治そのほか速
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
[写真]内紛が続く大塚家具(Rodrigo Reyes Marin/アフロ)
このところの大塚家具の内紛は、創業者の父と社長である長女との「血族の争い」といった構図で描かれ、テレビのワイドショーの格好のネタになって広く社会的な関心を集めています。映画やドラマを地で行く展開になっていますが、見落としてはいけないのは、大塚家具はれっきとした上場会社であり、株主や従業員、取引先などのステークホルダー(利害関係者)に大きな責任を持っているということです。
それを考えるならば、いつまでも泥仕合を続けている場合ではありません。いま、増配狙いもあって株価は一時的にあがっていますが、双方の“陣営”が「社員がかわいそう」と言っている間に、企業の実質的な価値はどんどん低下しています。これこそ「社員がかわいそう」な状態にあるといえます。
ポイント1:会社は誰のものか?
ここで重要なのは「会社は誰のものか」という点です。これは経済社会の永遠テーマともいえますが、創業者側、長女側の双方から応酬が続き、収束に向かう気配はありません。もし同族経営の会社でなかったら、普通は「あの会社、何をやってるの」という周囲の目、いわゆる「ピア・プレッシャー」に経営陣は耐えられないはずです。
現在のところ、創業者の父が始めた会員制サービスと長女の主張する「気軽に入れる」店舗戦略が正面から激突している構図ですが、普通の会社ならこうしたビジネスモデルの対立はある程度の段階で「落としどころ」を見出すのが通例です。例えば、ハイエンド(高級品)とローエンド(廉価版)で商品ラインナップを調整して店舗を棲み分けるといったやり方です。しかし当事者たちは一歩も譲りません。双方、著名な弁護士事務所の支援を受けながらメディアを巻き込んで、互いの主張に耳を貸そうとしないのです。
しかし、冷静に状況をみてみると、少子高齢化の進展で、住宅需要も先細りの中、これから先、家具がどんどん売れる時代が待っているとはいえません。20年にわたるデフレ体質がいまだにしみついている日本の経済社会の中で、家具のような耐久消費財であっても「安価路線」が進んでいるのはまぎれもない事実です。大塚家具がそうした消費者の需要に答えられているかどうかは、ここ数年の業績をみれば物語っているともいえます。
ポイント2:事業承継の難しさ
もう一つ注目すべきポイントは、大塚家具は事業承継に完全に失敗しているという点です。
ある信用調査会社がまとめたデータでは、企業は40代の社長がいる会社が増収増益を達成するのが一番多く、そこからなだらかに減る形で50代社長、60代社長と続くそうです。そして、70歳を超えると増収増益を果たす企業の数はぐんと下がり、「70歳のカベ」とも言われています。ここで事業承継が非常に重要な意味をもちますが、円滑に事業承継を進めるには、様々な準備を重ねる必要もあり、中小企業でも10年はかかるそうです。
大塚家具の場合、創業者会長の大塚勝久氏は現在71歳。すでに70歳を超えています。記者会見などで様々な発言をみていると、いまは全く事業承継するつもりがないことがわかります。
この信用調査会社の幹部は「創業者にありがちな傾向ですが、一様にみんな『データはそう示しているが、自分だけは違う。70過ぎてもまだまだやれる』といいます。経営者のその意識こそが問題なのです」と話します。
大塚家具の場合はどうなのでしょうか。3月27日に行われる株主総会の行方が大きく注目されています。
(3Nアソシエイツ)
本記事は「THE PAGE」から提供を受けております。
著作権は提供各社に帰属します。