政治そのほか速
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Copyright (C) Kuni Takahashi. All Rights Reserved.
大都市で道路の拡張やインフラ整備のために土地が必要になると、まずターゲットになるのが、空き地に住み着いた人々によってつくられた「違法」居住区だ。住民への補償などほとんど必要ないし、家屋も質素なものが多いので、ブルドーザーによってあっという間に「のされて」しまう。
数日前にそんな解体の憂き目にあった首都デリーの一角。残された瓦礫の山を歩きながら、住人たちがレンガを集めていた。何処になるかはわからないが、次に家を建てるときに使うためだという。敷地の脇では、公衆トイレの残骸となった鉄筋をつかった即席ブランコで、子供達が屈託もない笑い声をあげている。
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インドの並々ならぬ貧困は、一般的に農村部にいくほどひどくなる。そんな田舎から仕事を求めて都市部になだれ込んでくる人々は後を断つことがないが、まともな家賃など払えない彼らの多くには、空き地の違法占拠しか住処を得る術がない。
そんな都市流入者たちと違法住居の解体は、終わることのないいたちごっこだ。
(2013年4月)
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高橋邦典 フォトジャーナリスト
宮城県仙台市生まれ。1990年に渡米。米新聞社でフォトグラファーとして勤務後、2009年よりフリーランスとしてインドに拠点を移す。アフガニスタン、イラク、リベリア、リビアなどの紛争地を取材。著書に「ぼくの見た戦争_2003年イラク」、「『あの日』のこと」(いずれもポプラ社)、「フレームズ・オブ・ライフ」(長崎出版)などがある。ワールド・プレス・フォト、POYiをはじめとして、受賞多数。
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