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「和製ベーブ・ルース」と呼ばれる早実・清宮幸太郎内野手(1年)が、衝撃の高校デビューを飾った。ラグビートップリーグ・ヤマハ発動機の清宮克幸監督(47)を父に持ち、東京北砂リトル時代は世界大会でも優勝した逸材。1メートル84、97キロの父譲りの体格で、18日の春季高校野球東京都大会では推定飛距離130メートルの高校1号を放ち、観客を沸かせた。リトル、シニア時代の指導者やチームメートの証言から、スーパー1年生の素顔に迫る。
【写真】関東第一戦で特大130メートルのランを放った早実・清宮
東京北砂リトルの日高淳二監督(43)は小学生時代の清宮を思い出し、苦笑いしながら振り返った。「マイペースな子でしたね。集合して、さあ出発という時にいない。でも、それはグラブやスパイクを丁寧にしまっていたりするからだったんですけどね」
とにかく動じない。周囲に流されない。早実中1年の時に出場した12年のリトルリーグ世界大会。日高監督は当時ヘッドコーチとして同行していた。「何人かホームシックにかかったりしていたけど、キヨは全然平気だった」。全米でテレビ中継され、4万人の観衆が見つめた注目の大会で史上最長94メートルの特大弾。世界一に輝き、米メディアに「和製ベーブ・ルース」として特集された。世界大会という大舞台。普通なら緊張やプレッシャーで食事も喉を通らなくなりそうだが、バイキングでは大好きなフルーツとパスタを皿に山盛りにして食べていたという。
4歳の頃からバッティングセンターに通い、130キロの設定で目と体を慣らしてきた。小4の入団時にすでに両翼70メートルのグラウンドの外野フェンスを軽々と越えた。「ミートが上手で、インコースもうまく肘をたたんで打っていた」。あまりにも飛ばしてボールが次々になくなるため、父・克幸氏が自ら20ダースほど購入してきたこともあったという。リトルリーグ時代は通算132本塁打。その約半数を叩き出した小6時には、あまりのパワーで金属バットを1回で折ってしまった逸話もある。
ただ、リトルリーグ世界大会後には責任感からスランプに陥り、三振も増えた。それでも試合中には「打てるよ!打てるよ!」とベンチから仲間を鼓舞し続けた。チーム関係者は「普通なら偉ぶって頭ごなしに言っちゃうところだけど、キヨの場合は“俺ができるんだから、おまえもできる”と同じ目線で諭すようにアドバイスしていたのが印象的だった」と話す。規格外のパワーと体格が目立つ一方で、心優しき少年でもあった。
▽北砂リトルの世界一 12年8月16~26日に米ペンシルベニア州で行われたリトルリーグ世界選手権に出場。国際の部では2勝1敗で決勝に進み、パナマを10―2で撃破。米国の部を制したテネシー州代表との世界一決定戦では12―2で勝利した。清宮は5試合で打率・667、3本塁打。投げては1回戦と世界一決定戦に登板し20アウトのうち15を三振で奪う圧巻の内容。その圧倒的な力から、米メディアは「和製ベーブ・ルース」として報道した。