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ヤマザキナビスコカップ予選リーグ第2節が28日に行われ、横浜F・マリノスは清水エスパルスと対戦し、2-0で勝利を収めた。
今シーズンの自身初ゴールだった。69分のCKの場面、兵藤慎剛のキックが相手DFに当たってこぼれたところを左足で押し込んだ。186センチの長身を生かしたプレーではなく、落ちてきたボールに左足を合わせた執念のゴールだった。
「ゴールは常にうれしいもの。特に自分たちのようにDFの仕事が多いポジションとしては、ゴールを決めることができたら自分の努力が報われたかなと思ってうれしいです」
そう語ったファビオはゴール後、薬指にキスして、愛妻へ向けたハートマークを両手で作った。「ゴールを決めたら必ず捧げようと思っていた」と。
2013年の横浜F・マリノス加入当時、中澤佑二、栗原勇蔵といった日本屈指のセンターバックのバックアッパーだった。そこでドゥトラと出会った。2003年、04年の横浜FMの黄金期を築いたレジェンドであり、ブラジルの同郷出身でもあるドゥトラのことを、ファビオは「(もともとは)お父さんのような存在だった」と語る。しかし、一緒にプレーするうちに次第に尊敬の念を抱くようになった。
「トレーニングでも全力を尽くす。ピッチを離れても選手として何をすべきかを考えて日々を過ごす。もちろん試合でもプロとして全力を尽くす。プロ選手のあるべき姿を学んだ」
そんなドゥトラに現役引退前、冗談まじりにこんな話をした。「(ドゥトラが引退したら)次は僕が5番を受け継ぐよ」。ドゥトラはこう答えたという。「ファビオには頑張ってもらいたいから、ぜひ(5番を)受け継いで欲しい」。
2015シーズン、背番号5は左サイドではなく、中盤の底で輝いている。確かにドゥトラは横浜FMの偉大な選手の一人だ。それでもファビオは「自分としてはあまり気にしないで、5番をつけた上で日々できることを努力してやっていきたい」と語る。
本気で「受け継ぎたい」と思ったあの日から、ファビオの覚悟は決まっている。