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キリンビールが1月27日に発売した「糖質 0×プリン体 0×カロリーオフ」の「キリン のどごし オールライト」の売上が好調だ。発売から3週間で年間目標の約2割となる100万ケースを突破したと同社が発表した。
同製品は、アルコール入りビールテイスト飲料において世界で初めて“糖質0・プリン体 0・カロリーオフ”を実現した商品。近年の健康意識の高まりにより、ビール類における機能系商品市場の拡大傾向が続くなか、同社の主要機能系商品群も対前年約2倍の販売数となり、好調に推移しているという。
そもそも機能系商品とは?
このように活況を見る機能性をもったビール類だが、機能系商品というと決してビールを始めとした飲料に限ったものではない。機能系と呼ばれる商品の代表格には通称“トクホ”が挙げられる。正式には“特定保健用食品”と呼ばれるトクホは、消費者庁長官の許可を受けた、保健の効果(許可表示内容)を表示することのできる食品だ。このトクホマークは、身体の生理学的機能などに影響を与える成分を含んでおり、国に科学的根拠を示し、有効性や安全性の審査を受け、特定の保健の効果が科学的に証明された商品にのみ表示が許可されている。
1993年に表示許可第1号の商品が誕生し、2013年12月末時点で表示許可・承認された食品は1095品目に及ぶ。市場調査会社のシードプランニングによると、2017年には健康食品市場全体で約2兆1,450億市場に達すると見込まれている。
新しい”機能系”制度がスタート – 魚や野菜にも機能性が表示される!?
さらに、「特定保健用食品(トクホ)」と「栄養機能食品」に次ぐ第三の機能性表示食品が登場する。科学的根拠をもとに、含有する機能性成分の“健康効果”を食品のパッケージに表示できる新制度がスタートするのだ。安全性や機能性について一定条件をクリアすれば、国の審査なく、企業や生産者の責任で具体的な機能を表示できるようになる規制緩和である。この新しい機能性表示制度では、条件さえクリアすれば、野菜や魚などの農水産物でも機能性が表示できるようになる。“機能系”が表示された魚や野菜が店頭で販売されるようなる可能性があるということだ。今後、多種多様な機能系を示す表示が登場することが考えられるので、消費者は内容を正しく理解する必要が求められるようになってくるであろう。
機能系が乱立するビール業界
そんな機能系商品の中で現在、競争が激しいカテゴリーのひとつが、先にも挙げたビール業界だろう。ビール業界における機能系の定義は、通常の商品に比べて糖質やプリン体等をカットした商品であること。ビール業界での機能系商品の一例としては、キリンビールが2003年に開発した発泡酒「淡麗アルファ」が挙げられる。きっかけは2000年に発売した「クリアブリュー」の開発。活性炭素を使うことでプリン体を除去できるということを偶然発見したことから「淡麗アルファ」の商品化に結び付けた。また、糖質70%オフを掲げて登場した「淡麗グリーンラベル」は、発泡酒市場におけるキリンの存在価値を作り上げるほどのロングランヒットを続けている商品である。2014年にはサッポロビールが第3のビールとして糖質ゼロだけでなくプリン体ゼロを謳う「極ZERO」が発売され、以降、プリン体・糖質をそれぞれゼロにした“ゼロ・ゼロ”商品を各社が投入している。
ビール類の焦点は“三つ目の機能”
こうした中、前述したキリンビールの「のどごし オールライト」だが、ポイントは糖質、プリン体をゼロにしたうえで、さらに”カロリーオフ”にしたこと。栄養表示基準によると「カロリーオフ」と表示するには100mlあたり20kcal以下でなければならない。こうした基準を満たすものとなっている。またサッポロビール「極ZERO」も2月にリニューアルされ、糖質、プリン体をゼロに加えて人工甘味料ゼロという3つ目の機能が追加し、キリンビールへ追随する形となった。昨年、“ゼロ・ゼロ”商品を投入したビール業界が今後、どのような”三つ目の機能”を取り入れていくのかを注目して商品選びをするのもいいのではないだろうか。