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マンU戦でわずか38秒で退場したジェラード[写真]=Getty Images
トップ4の座を懸けたアンフィールドでの大一番。2得点を決めてマンチェスター・ユナイテッドを勝利に導いたフアン・マタは試合後、「ユナイテッドに来てから最も幸せな1日」と話した。その一方、「リヴァプールで最も不幸せな1日」を過ごしたのが、スティーヴン・ジェラードだった。
アダム・ララーナとの交代で後半開始からピッチに立ったキャプテンは、わずか38秒後、アンデル・エレーラの足を踏みつけて一発退場となった。
『デイリーメール』はジェラードに10点満点の「1点」という厳しい採点を付け、一方でマーティン・アトキンソン主審には「7点」という高評価を付けた。現地では、ジャッジが厳しかったという声は聞かれない。
昨年4月、プレミア優勝が懸かったチェルシー戦でのスリップもジェラードにとっては苦い記憶かもしれないが、あのときは同情の声が多かったのに対し、今回は『ザ・サン』の言葉を借りるなら「糾弾と非難しかない」状況だ。ジェラード本人も試合後、ファンやチームメートに謝罪をしているが、まさに“言い訳無用”である。
では、なぜジェラードは愚行を犯してしまったのか。
『スカイスポーツ』で解説を務める盟友ジェイミー・キャラガーはこう推測する。
「一瞬の狂気だった。前節スウォンジー戦でも先発を外され、フラストレーションを募らせていたのだろう。スティーヴンは感情的になりやすい選手だ。過去に何度も信じられない形でチームをけん引してきた。気持ちを込めてプレーすると特別なことを起こせるんだ。しかし、それは同時にマイナスに働くこともある。彼はエヴァートン戦とユナイテッド戦で過去4枚のレッドカードを貰っている。この試合では、間違いなく感情的になり過ぎた」
同じく『スカイ』の解説者ギャリー・ネヴィルも似た見解だ。
「彼は意欲満々でピッチに入り、すぐにマタへのタックルを決めた。そうして彼は観衆を盛り上げようとしたんだ。だが、それがああなってしまった」
フラストレーションの溜まる前半戦を見せられたリヴァプールのファンは、交代出場のキャプテンを狂喜で迎えた。ジェラードはマタへのファーストタックルで仲間たちに「こうあるべき」という姿を示し、ファンの期待に応えた。しかし、直後のエレーラとの場面では、過度に分泌しすぎたアドレナリンを抑えきれなかった。
この試合、リヴァプールはマルティン・シュクルテルにもダビド・デ・ヘアを踏みつけた疑惑が挙がっており、さらにクリス・スモーリングにつっかかろうとしたマリオ・バロテッリが客席のファンに取り押さえられるシーンもあった。そういった意味で、「心はホットに、頭はクールに」という大一番での定石をよりうまく踏んでいたのは間違いなくユナイテッドだった。
ルイ・ファン・ハール監督は試合前、「ピリピリしたゲームでは“敵意”を抑えなければいけない」とコメントし、練習では自ら審判役を務めて「大一番での緊迫したジャッジ」を体感させる予行練習を施していた。
「感情の制御も才能のうち」。
老獪なオランダ人指揮官の言葉は、若き戦術家ロジャーズの耳に、痛みとともに残っているに違いない。
ちなみに、ジェラード退場を受けた一連の報道の中で、『スカイスポーツ』や『ガーディアン』は交代出場選手の「最速レッドカード」事例を紹介していた。
それらによると、プレミアリーグの最速記録は07年1月20日、当時シェフィールド・ユナイテッドのMFキース・ギレスピーがレディング戦で記録した「12秒」だという。ピッチに送り出されたギレスピーは、そのまま味方のスローインを受けようとポジション争いをする中で、相手選手の顔面にエルボーを入れて一発退場。ピッチインから12秒後の出来事だったが、試合再開のスローインが投げ込まれる前だったため、実質的なプレータイムはまさかの「0秒」だった。
(記事/Footmedia)
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