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日ごとに暖かさが増してくれば、気分も高揚して、何だか体を動かしたくなりますよね。しかし、ふだんあまり運動しない人や、腰痛の人はご用心。もしかすると、「骨粗しょう症」の可能性があります。
「骨粗しょう症」は、骨量が減ることで骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。骨量の低下は主に加齢によるもので、骨量を維持する働きがある女性ホルモンのエストロゲンの減少も原因とされています。閉経後の女性でしばしば問題になるのはそのためです。若い人でも、ダイエットや運動不足が原因で骨粗しょう症になることがあります。最近の調査では、国内の40歳以上の骨粗しょう症患者数は1280万人。そのうち女性は980万人、男性は300万人と推測されています。
また、骨の部位では、腕や下肢よりも、背骨の骨量の低下が著しいことがわかっています。人間の骨は体の中で複雑に絡み合い、ジャングルジムのような網目構造をしていますが、骨量が減ると、ジャングルジムの棒の部分に当たる「骨梁」が失われるため、骨全体が弱くなるのです。
実際、初期段階ではまったく症状がないため気がつかず、ちょっとしたことで骨折したり、腰痛になったりして、初めて気がつくケースが少なくありません。そうならないためにも、当コーナーをよく読んでもらいたいものです。
現代の日本の社会において「骨粗しょう症」は、高齢化社会の中でも大きな問題となっています。高齢者が寝たきりになる原因の約20%が「骨折」だと言われていますが、そうした高齢者の骨折を引き起こす重大な要因の一つが「骨粗しょう症」なのです。
特に太腿の大腿骨を骨折し、それをきっかけに寝込んでしまうと、骨折が治ったあとも自力で歩くことが難しくなり、生活に刺激がなくなり、認知症が進行してしまうおそれがあります。2007年の調査によれば、「骨粗しょう症」による大腿骨骨折の発生件数は、14万8100人にも及び、高齢者人口の増加に伴い、その数は年々増える傾向にあります。
具体的には、健康な骨では問題ない程度の力が加わるだけで、簡単に骨折するリスクが高まります。さらには、骨折に伴う痛みが背中や腰などに表れることがあり、日常生活での行動が制限され、行動範囲も狭くなります。
また、背骨が圧迫されて潰れる「圧迫骨折」も起こりやすくなります。圧迫骨折になると、背中が丸くなって内臓が圧迫されるため、食道、胃、大腸などの消化器に負担がかかり、逆流性食道炎による胸やけ、消化不良などの症状にも悩まされることもあります。
◆監修 森田豊(もりた・ゆたか) 医師・医療ジャーナリスト・医学博士。レギュラー番組「バイキング」(フジテレビ系)など多数。ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の医療監修も務めた。
●重大病が見つかるチェックリスト「骨粗しょう症」(2) へ続く