政治そのほか速
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1985年に『週刊ヤングマガジン』にてデビュー後、『バタアシ金魚』『ドラゴンヘッド』『座敷女』等、センセーショナルな作品を次々生み出してきた漫画家・望月ミネタロウ。映画、ドラマなど映像化作品も多く、カルト的な人気を誇っています。
望月先生の最新作であり、先日『週刊ビッグコミックスピリッツ』にて連載が終了した『ちいさこべえ』は山本周五郎の小説「ちいさこべ」を現代にアレンジし、コミカライズしたもの。火事で両親と家を無くしながら、「人情と意地」を大切にする主人公が、身寄りの無い人々や子供達と片寄せあっていきるという、あたたかな物語です。
今回は望月ミネタロウ先生にインタビュー。『ちいさこべえ』の企画から、連載が終了して思うこと、今後の目標など色々とお話をうかがってきました。
――『ちいさこべえ』の連載が無事に終了という事で、お疲れさまでした。本作は山本周五郎の小説をコミカライズした作品ですが、企画自体はどういった事からスタートしたのでしょうか?
望月ミネタロウ:元々原作付きの作品をやってみたかったんですね。
――原作物を描いてみたかった理由は?
望月ミネタロウ:これまで、僕は自分の仕事ってスタンド・アローンだと思ってやってきたんですが、例えば、新しい作品を描こうとした時に僕という人間がもう一人いても上手くいくワケでは無くて。能力は一緒だから、自分だけだと限界があるなと感じたんですね。そんな時、他の誰かの原作に取り組めば何か新しい世界が開けたり、刺激があるのでは無いかと。
――それで出会ったのが「ちいさこべ」だったと。
望月ミネタロウ:編集さんにいくつかリクエストをして、漫画の原作になる作品を探していただいたんです。そのリクエストというのは「和風・職人物・人情・家族」で、この「ちいさこべえ」を持ってきてくださって。山本周五郎先生の作品って、映像化された「赤ひげ」とかいくつか代表的な作品に触れたことがある程度だったんですが、「ちいさこべ」は僕の求めている物にピッタリだった。
――原作の小説は時代物で、漫画は現代が舞台となっていますが、そうした意図はどんな所にありますか?
望月ミネタロウ:最初は原作のまま時代物で描いてみたんですが、理由は上手く言えないんですがしっくりきませんでした。それで色々パターンを描いた中で、現代を舞台にした物が一番しっくりきたんです。時代物ってどこかファンタジーで、この物語をリアルに感じてもらう為に現代が背景の方が合うと思ったんです。
漫画って生ものだから世の中の動きが強く影響すると思うんです。『ちいさこべえ』の連載は2012年からスタートしましたが、震災もあり、人と人とのつながりを心のどこかで僕自身感じていて、この作品を描くことに繋がったんだと思います。
――時代を変える事で苦労は無かったですか?
望月ミネタロウ:あまりありませんでしたね。山本周五郎先生の作品というのは普遍的で、時代が変わっても人々に響くメッセージを持っていると思います。
――確かに、どの時代、どの世代にもじーんとくるお話と言いましょうか。始める前に原作のファンが面倒とか、そういう思いは無かった?
望月ミネタロウ:そうですね。山本周五郎先生という偉大な文豪の原作ではありましたが、何とかなるだろうと思いました。その理由として、まず読んだ時に情景が頭にどんどん浮かんできたんです。
――すぐに絵が浮かんできたというか、物語を作る上でそれほど苦労はされなかったということですね。
望月ミネタロウ:そうですね。連載をスタートした時から決めていたのは、登場人物が実際に存在して、ちゃんと生活している様が伝わるような細かな描写を大切にしようという事でした。例えば、主人公がどんな靴を履いているだとか、朝は何時くらいに起きてどんな物を食べているのだとか。そうした物語の本筋とは直接関係無い部分の描写も丁寧にやろうと思っていて、結果、自分が納得する形まで描くことが出来たと思っています。そんな細かな部分を、この作品を読んでくれた方が気付いてくれて「あのシーンが良かった」と言ってくれる。それが一番面白かったし、嬉しかった。これからもそんな形で読んでいただけたら嬉しいです。
――例えば、登場人物のお弁当がとてもきちんと丁寧に作られていて、そこから暮らしぶりを想像するといった様な。
望月ミネタロウ:はい。どうしてお弁当がそんなにキレイに作られているのか、どんな気持ちで作ったのかとか、そういう所を想像しながら読んでいただけたら本当に嬉しいです。この漫画は淡々としていて、決して派手な作品ではありませんが、そうした細部にこだわりました。無事に連載を終えて、これから最終巻も出ますので、多くの人に読んでいただけたらと思います。
――そんな望月先生の原作へのリスペクトと、描写の力が評価されて、2013年には「第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞」を受賞していますね。
望月ミネタロウ:賞をいただいた時に、鎌倉霊園にある周五郎先生のお墓に行ったんですよ。周五郎先生って、これまで色々な賞をほとんど辞退されてきた方なんですけど、「僕はもらっちゃいますよ」とご報告をしました。その日が、青空が美しくて、海からいい風が吹いてきて、とても気持ちの良い日だったんです。だから、なんとなく周五郎先生も受け入れてくれるんじゃないかなって思ったり……ちょっとスピリチュアルっぽいですかね、この話(笑)。先日連載が無事終了した時にもお墓に行って、そうしたらその日がたまたま命日だったんです。
――それは! 運命を感じざるを得ませんね。望月先生は連載が終わった時は「終わった!」と爽快な気持ちになるのか、解放された気持ちになるのか、どの様な感情を抱く事が多いですか?
望月ミネタロウ:『ちいさこべえ』に関しては寂しかったですね。キャラクターに対して思い入れがあったので、別れるのが寂しいというか。連載中もとても楽しかったし、新しいチャレンジも出来ました。職人物を描きたいという願いも叶ったわけですからね。
――そこまで、望月先生が“職人物”に惹かれた理由は何ですか?
望月ミネタロウ:ドキュメンタリーなどで、色々な職人の仕事風景や所作を観るのが元々好きだったというのはありますね。医者なら患者を救う、料理人なら美味しい料理を作るというハッキリとした目的がありますけど、漫画家ってそういうハッキリしたものが無いと僕は感じる時がある。極論を言うとあっても無くても良い職業じゃないかと。だからこそ、職人という生き方に惹かれるのかもしれません。
――私達からすると、読み手に作品を届ける漫画家さんもすごく職人的な職業だと思うんですが、ご本人は違うのですね。
望月ミネタロウ:そうですね、そう思えないんでしょうね。少なくとも漫画は小学校時代の僕にとっては一番必要な物でしたが、自分が漫画家として何を作るかという話になると何か違う物を感じるんですよね。今回の作品を作るにあたって、大工さんの現場を取材させていただきましたが、仕事をしている姿がめちゃめちゃかっこいいんですよ。普通のおじさんで、ジャージを着ているのに(笑)。それは、良い家を作る為に頑張るというハッキリとした意志と目的があるからかっこいいんじゃないかと思うんですが、ただ「この仕事しか出来ない」という事が職人気質であるとしたら、僕にもそういう所があるかもしれません。
――『ちいさこべえ』を描いた事によって、今後の作品作りに刺激を受けたという事もあるのでしょうか?
望月ミネタロウ:今回、自分にとって初の原作付きで大きなチャレンジだったけれど、挑戦出来たこと自体も、それによって出来た経験も、とても楽しかったです。何度も言いますが、本当に楽しかった。次回作も粛々と進めていうと思います。原作付きをやるかどうかは分かりませんが、この作品で得た物やこうしてお話をしていて感じた事だったり、人と出会っての化学反応を大切にしていきたいと思います。これまでほとんどこうしたインタビューや取材を受けた事は無かったのですが、いい勉強になりました。
――こうして取材を受ける事も創作活動の一種というか。
望月ミネタロウ:今まであまり人に会ってこなかった分、緊張しますが(笑)、新鮮ではあります。これまで作品を作るときに何か一つ苦手なものを入れてきました。インタビューも苦手なものの一つですが(笑)、自分一人じゃ思いつかない事にたどり着くきっかけになるといいなと思います。
――今度も先生の作品とても楽しみにしております。またぜひお話を伺わせてください。今日はありがとうございました!
撮影:wosa
撮影協力:la kagu
http://www.lakagu.com
●望月ミネタロウプロフィール
1964年生まれ、神奈川県出身。『ちいさこべえ』(原作・山本周五郎『ちいさこべ』)で第17回文化庁メディア芸術祭優秀賞受賞(2014年)。単行本、第4集(完結)が3月末に発売予定。『ドラゴンヘッド』で第21回講談社漫画賞(1997年)、第4回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞(2000年)を受賞。他の作品に『バタアシ金魚』『バイクメ~ン』『座敷女』『鮫肌男と桃尻女』『東京怪童』など。
●書籍&イベント情報
ちいさこべえ | 小学館
http://www.shogakukan.co.jp/comics/detail/_isbn_9784091851093( http://j.mp/1FHjq1R )
文豪ナイト<第二夜:山本周五郎>
望月ミネタロウ×松浦弥太郎「時代ってなんだ。何も変わってねぇ。ヤマシュウ先生、そうでしょう?」
漫画『ちいさこべえ』完結記念イベント
日時:2015年4月2日 (木) 19:00~20:30
場所:la kagu(東京都新宿区矢来町67)
登壇者:望月ミネタロウ、松浦弥太郎
http://peatix.com/event/76836
-ガジェット通信は賢く情報を活用する読者のため「ネット上の議論、ネットカルチャー、デジタルガジェット情報、ライフスタイル提案、時事ニュース」等を提供するニュースサイトです。ガジェット通信
日本マクドナルドホールディングス(以下、日本マクドナルド)が、昨年7月に発覚した中国食品会社の使用期限切れ鶏肉使用問題に端を発し、その後、立て続けに起こった異物混入問題で客離れを起こし、1971年7月に銀座三越(東京)に第1号店を開業して以来の未曾有の経営危機に直面している。
日本マクドナルドの2014年12月期決算は売上高約2223億円(前期比14.6%減)、営業損益は約67億円の赤字、最終損益は当初予想の170億円を48億円も上回り約218億円の大赤字となった。最終損益が赤字になるのは03年12月期以来、11年ぶりのことだ。ちなみにFC(フランチャイズチェーン)を加えた全店売上高は約4463億円(同11.5%減)。また店舗数は直営が1009店、FCが2084店の合計3093店であった。
創業以来の悲惨な決算に拍車をかけたのが、今年1月の既存店売上高が前年対比38.6%減と、4割近くも落ち込んだことだ。客数も28.5%減と大幅に落ち込んだ。「マクドナルド離れ」は深刻な状況にある。この異常ともいえる落ち込みに、日本マクドナルドでは「今期の業績予想や配当は未定」として発表しなかった。
一連の品質問題と業績悪化の原因をつくりだしたのは、現会長で前社長兼CEOである原田泳幸氏時代の経営だという指摘が数多くなされている。
原田氏は04年4月21日に日本マクドナルド創業者の藤田田氏が死去した直後に同社社長に就任した。藤田氏は米マクドナルド創業者のレイ・クロック氏が日本マクドナルドの合弁企業相手に選んだ人物で、日本マクドナルドを大成功させた大立者である。米本社は何よりも先に、藤田氏の社葬を開催するか、それが無理なら会社主宰の偲ぶ会を開催すべきであった。ところが、米本社には藤田氏を丁重に葬送するという発想がなかったどころか、これをチャンスと見て「藤田経営の破壊」を仕掛けるのだ。
米本社の考えを経営に反映できる代理人として、アップルコンピュータ社長だった原田氏をスカウトし、04年5月に日本マクドナルドの社長に就けるのだ。原田氏がアメリカ本社から叩き込まれたミッションは、「藤田経営潰し」であり、「藤田派幹部の一掃」であった。原田氏が日本マクドナルドのトップとして乗り込んで最初の取締役会で英語のスピーチを行い、「バスに乗る者はバスに乗れ! そうでない者は辞めろ」という方針を明確に示した。こうして藤田派の経営幹部の切り捨てが始まったのである。●「藤田=悪の権化」を切り捨て
原田氏はアメリカナイズされた合理主義者である。日本式の礼儀や義理人情は一切通用しない。ひたすら米本社に忠誠を誓い、自らの保身に汲々とした。藤田氏の偉大さや功績、その起業家精神をも自らの意思で評価しようとしなかった。米本社も藤田氏へのリスペクトもなく、「藤田=悪の権化」として切り捨てることで日本マクドナルドが再構築できると思っていた。原田CEO時代、日本マクドナルドのホームページからは藤田氏の痕跡が消された。
原田氏は米本社から与えられたミッション、すなわち藤田氏の功績の抹殺、藤田派の幹部の切り捨て、経営システムの破壊などを進めた。原田氏の経営についてはすでに数多く報じられているのでここでは詳しくは触れないが、2つだけポイントを取り上げよう。
一つが、日本マクドナルドの根幹にある「品質管理システム」をコスト削減の名目で外部に委託したことだ。このため一連の異物混入問題が発生した時、その実務を担える人材が流出していたために対応できなかった。原田氏が行き過ぎた組織破壊を進めて人材を流出させたことが、このような問題を引き起こした。
もう一つがFC化率を高めたことだ。藤田時代、のれん分けのかたちで独立させたFCが全体の3割にとどまっていたのに、FC化率を7割まで高めた。直営店舗をFCオーナーに売却し、大ざっぱに約150億円の利益を出した。原田氏が推進したFC化率7割は、ハンバーガー大学のようなかたちで藤田氏が構築してきた教育研修システムを破壊した。
「FC化を進めたことで、現場のクルーのモラルは大きく下がりました。藤田時代ならアルバイトにも研修を受けさせ、アルバイトから社員になる人も多かった。社員になるとマネージャー教育が受けられ、経験を積んで複数店を管轄するスーパーバイザーに昇格すれば米国研修へ行けるといった研修システムが出来上がっていました。やる気のある人材が登用されるケースがよくありました。ところがFC化すると、アルバイトから本部の社員に登用されることが難しくなります。また、アルバイトもFC店では出世できても、本部の社員として活躍する道が閉ざされ、どうしてもモラルが下がってしまうのです」(マクドナルド研究の第一人者で関西国際大学教授の王利彰氏)
店舗でのクルーのモラルの低下は、相次いで異物混入問題が起こる引き金になった。
ところでFCオーナーの8割以上は元社員であり、店長、スーパーバイザーなどの経験のある中堅幹部だ。藤田時代の教育システムで育ってきた人が多く、原田氏にしてみれば抵抗勢力になる人たちだった。
原田氏は抵抗勢力に対してはアメとムチで対応した。例えば07年11月、抵抗勢力のFCオーナーたちが「社内基準を過ぎたサラダを賞味期限偽装で販売」していたのを捉え、偽装が発覚した4店舗のFC契約を解除し、直営に移行させた。一方、原田氏に尻尾を振ってくる人たちを取り込み、直営店を売却しFCオーナーとして独立させた。
原田氏は04年5月に日本マクドナルドのCEOに就き、13年8月、カサノバ氏にCEOを譲って代表権のない会長に退いた。原田氏は藤田時代の役員をすべて解任し、原田氏が就任中だけで役員が3回交代、就任時に外部からスカウトしてきた取締役も全員退任させてしまうなど、独裁的な経営手法で有能な役員、経営幹部、中堅幹部などを辞めさせた。その結果、カサノバ氏のブレーンには使える人材が残らず、それが異物混入問題の傷をより深くしたといわれる。
原田氏の2大愚策といわれるのが、12年に実施したカウンターからのメニュー撤去、もう一つが13年に実施した、60秒以内に商品が提供できなければ無料券を渡すというキャンペーンだ。どちらも客のことも店舗スタッフのこともわかっていない無責任な思い付きで、現場はひたすら混乱したという。藤田時代の古き良き日本マクドナルドは、この時期に壊れてしまったのかもしれない。●FCオーナーたちの怒り爆発
日本マクドナルドは14年7月に発覚した期限切れ鶏肉問題に端を発し、異物混入問題が相次ぎFC店は売上高を激減させた。カサノバ氏はロイヤルティーの一律減額に踏み切るなど、FC支援対策として30億円を投入した。しかし、日本マクドナルドは14年12月期決算で最終損益が218億円の赤字に陥るほど、業績が悪化した。これより先、日本マクドナルドはFCオーナーたちを集め14年秋以降の売り上げ目標を提出させ、署名させた。これにはFCオーナーたちが怒りを爆発させた。
その中の一人である原島清司氏は、日本マクドナルドの社員時代を入れると30年以上店舗運営にかかわってきた。FCオーナーとして独立してからは、西多摩地区を中心に34店舗を展開する大物オーナーであった。FCオーナー会議に出席した原島氏は、壇上に居並ぶ経営幹部を見て、こう嘆いた。
「かつての藤田社長時代と比べると、販売の現場で働いたことがない人ばかりが経営幹部だ。マックはすっかり変わってしまった……」
原島氏は、販売現場で働いたことのない人たちが経営幹部であることに違和感を持った。それは原島氏が知る日本マクドナルドではなく、異質の日本マクドナルドであった。原島氏は藤田時代の終焉を知り、FC34店舗の本社への売却を決めたのである。これは米本社主導で進める日本マクドナルドの脱・藤田路線にとって、ショッキングな出来事であった。対応を間違えればFCオーナーの集団離反にも発展しかねない、深刻な問題であったからだ。
日本マクドナルドは、引き続き20億円規模のFC支援を決めた。FC店の平均月商は一説には1200~1300万円といわれているが、売り上げの激減で、月間売上高の計20%を占めるロイヤルティー、家賃などを払うと、やっていけないところが増えているといわれる。そこで日本マクドナルドではロイヤルティーの引き下げ、食材費の支払い3カ月先送りなどの対策を取ったうえで、「ランチ時間帯の午前11時~午後2時の売上高を取り戻す!」作戦を進めている。売上高伸び率(前月比)に応じて10段階に分け、0.3~2.3ポイント減額する。15年1月~6月末まで実施する計画だ。
日本マクドナルドは今年1月、売上高が前年対比で38.6%も落ち込んだ。年間売上高予想などは先送りしているが、2~3月でも売り上げが回復しないと、FCの集団離反問題が再燃する可能性がありそうだ。
カサノバ氏はマレーシアでチキンの商品戦略を大成功させ、ケンタッキーフライドチキンを緊張させたという武勇伝の持ち主である。カサノバ氏自身、「当社のビジネスはFCと共にある」と、FC支援を惜しまない考えだ。これまでの内部蓄積も大きく、きっかけをつかめば再浮上する可能性は高いが、マーケティング屋のカサノバ氏が、この非常時を乗り切っていけるのかどうか、残された時間は少ない。●米本社でもトップ交代
米マクドナルド本社は3月1日付で現CEOのドン・トンプソン氏が就任2年半で引責辞任し、スティーブ・イースターブルック・シニア上級副社長がCEOに昇格する人事を決めた。最大の課題は、客離れの進むアメリカ事業の立て直しである。新CEOはオーダーメード型バーガーを全米2000店で展開する再建事業に取り組んできた。店舗で「あなたのバーガーをつくろう」と書かれたタッチパネルを操作し、好きな具材を組み合わせ、「自分だけのバーガー」を作って食べられるという、従来のマクドナルドでは考えられない店舗づくりだ。「食の安全」問題でも自社サイト上で工場内を公開し、食の不安を払しょくする取り組みも行っている。
現在、マクドナルドは日米欧中など世界で客離れを起こし、売上高を落としている。これはマクドナルドのこれまでの大量生産、大量販売の経営モデルが行き詰まっているからだ。アメリカでは14年夏からオーダーメード型バーガー店を試験的に始めた。価格は従来より高くなるが、これが結構人気で、マクドナルド再建の切り札になりつつある。
日本マクドナルドも米マクドナルドにならい、早晩オーダーメード型バーガーの新型店をオープンし、負の連鎖で行き詰まっている現状を突破しようとするだろう。
日本マクドナルドは創業社長の藤田氏の偲ぶ会を開催、藤田氏に礼儀を尽くしたうえで、再出発すべきである。
(文=中村芳平/外食ジャーナリスト)
福島第一原発の事故収束も一向に進まず、IS人質事件の余波でテロの危険性も高まっている。そんななかで日本は原発再稼働・輸出に邁進。日本の原発は本当に安全なのだろうか?
◆警察は対応能力なし、自衛隊は準備なし。日本はテロの狙い目!?
「イスラム国」(IS)人質事件後、最も危険性が高まっていると思われるのが「原発テロ」だ。ところが、「これから日本にとって悪夢が始まる」「すべての日本国民が今やイスラム戦闘員らの標的になった」と宣言されてもなお、日本政府は原発テロ対策強化を言い出そうとはしない。
元陸上自衛隊幕僚長の冨澤暉氏は「テロリストが狙うとすれば、いちばん効果的なのは原発。日本の原発は、他国よりもずっと対策が遅れているのです。原発テロゲリラ対策を早急にしなければ、日本は福島第一原発事故以上の被害を招く」と警告する。
「日本には原発テロを防ぐ態勢が整っていません。(『イスラム国』だけでなく)孤立化を深める北朝鮮が暴発するリスクも高まっています。細川政権時代、北朝鮮とアメリカが戦争寸前の状態になった際、当時の石原信雄・官房副長官が各省の役人に有事対応を考えるように指示しました。これを受けて警察庁の警備局長が私に意見交換を求めてきました。『大変な問題がある。北陸の原発がテロゲリラに襲われたとき、我々にはどうしようもありません』と切り出し、『機関銃やロケット弾を持ってくるテロゲリラに対応しようとしても、全国のスナイパーは50~100人ぐらい。しかも十数人の集団が襲ってくることは想定していない。そのとき自衛隊は、出てくれますよね』と聞いてきたのです」
冨澤氏は「そのときは(戦争状態となる)防衛出動が出ているのですか」と質問、警備局長からは「防衛出動ではなく、治安行動でしょう」という回答が返ってきた。それを受けて「治安行動はできません。何十年間、治安行動の訓練はしていない」と要請を断った。ここに日本の原発テロ対策の重大な欠陥があるという。実は’70年以降、自衛隊は治安行動の訓練をやめてしまっていたのだ。
「原発テロ対策は一義的には警察の役割で、自衛隊のほうはやりたくてもそういう役割が一義的にない。自衛隊は『警察予備隊』から始まりましたが、テロゲリラ対策では警察の予備にしかすぎない。警察がお手上げになって自衛隊が出て行っても、人を殺さずに相手を逮捕するのが『治安行動』の基本。自衛隊はそんな訓練は’70年からしていませんし、そんな生ぬるいことで対策はできません。テロゲリラにとっては、日本の原発は非常に狙いやすい脆弱な状態にあると言ってよいでしょう」(冨澤氏)
【冨澤暉氏】
’38年生まれ。元陸上幕僚長。「日本の原発でテロが起こる危険性」とその対策の脆弱さを以前から指摘し、原発テロ対策が日本の安全保障の緊急課題であると訴えている
取材・文・撮影/横田一
― 「イスラム国」事件で[原発テロ]が起こる!【1】 ―
福島を取材で訪れた主人公が鼻血を出す描写が大バッシングを受けた『美味(おい)しんぼ』鼻血問題。
【写真】雁屋氏が描いた「福島の真実」
騒動から10ヵ月がたった先月、原作者の雁屋哲氏が沈黙を破り、ついに反論本『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』(遊幻舎)を刊行。鼻血は決して風評ではないとする著者に、じっくりと話を聞いた。(第1回→http://wpb.shueisha.co.jp/2015/03/13/44879/)、(第2回→http://wpb.shueisha.co.jp/2015/03/19/45279/)
PART3では、鼻血騒動に対する福島県民からの意外な反応について、そして福島へのメッセージをお送りする―。
***
―ところで、鼻血騒動の時、雁屋さんの元に届いた意見には批判の声が多かったのでしょうか。
雁屋 あの騒ぎの時、2、3週間で900通近いメールをもらいました。そのうちの95%は僕に対する応援でした。(雁屋氏に)同感という意見や、福島県民からは「私たちが言えないことを言ってくれてありがたい」という声。福島に住んでる人たちが何か言うと、変わり者と言われちゃう。だから、本当のことをはっきり言ってくれて嬉しかったという意見が多くありました。
―そもそも『美味しんぼ』で、なぜ福島のことを描いたのですか。
雁屋 震災後最初に青森、岩手、宮城を訪ねて「被災地編」を書きました。そうすると取材で行く先々で「俺たちは一生懸命やろうと思うんだよ。でも、福島第一原発があれじゃ、いつ何が起こるかわからなくて力が抜けるんだよ」っていう声を聞くんです。最初は僕もなんとか福島に復興してもらいたいと思ってた。それで予定どおり福島編をやろうとなったのです。
―私も「福島の真実編」(110巻、111巻)を読みましたが、雁屋さんが福島のことを一番に思って描いているのがよくわかりました。だからこそ、鼻血のコマの部分だけ炎上してバッシングされたというのがわからない。批判する人は、全部を読んでないとしか思えないですね。
雁屋 僕は福島がすごく好きでね。本当は福島応援団のつもりで行ったんです。だから最初は内部被曝に対する考えも甘かったんです。だが、調べていくと原発事故以後の食べ物は相当に汚染されていることがわかった。例えば、セシウムが25ベクレル含まれた食べ物を一日100g食べたとすると、それだけで事故前より147倍も多く摂取することになる(注・日本分析センターが2008年に調査した日常食に含まれるセシウム137の福島市の結果から推定)。
でも、国が食品の基準値を100ベクレル以下と決めたことで、みんなが食品は100ベクレル以下ならいいと思ってしまった。それに食べ物の放射線量も問題だけど、そこで農作業している人たちの被曝はもっと深刻です。
―どういうことですか?
雁屋 土壌に放射性物質がすごく含まれてるでしょう。農作業をしていて土壌を耕すとそれが舞い上がる。田んぼの周りにいるだけで風が吹けば吸ってしまう。だから 食品の線量が低くなってもやっぱりダメだという結論に達したわけです。福島県庁だって僕が行った時には毎時0.5μSvあった。避難指定にすべきですよ。土地の汚染はいくら除染したって取り切れませんから。
―住民の中には被曝は怖いけど、いろんな事情で避難しない人もいます。どうしたらよいでしょうか。
雁屋 本当はここに住みたくないと声を上げることです。かなりの人が声を上げたら、日本人はみんな絶対に反応して応援します。外からなんとかしろと言ってもダメなんです。ある県民が福島の人は従順でおとなしいと言っていましたが、自分の命がかかっているのだから反抗すべきです。
僕がこういうこと言うと福島差別だって言う人がいるけど、それは逆。福島を差別している人だから「年間20mSvでも住め」なんて平気で言えるんだ。もし福島県の人たちを自分と同じ人間だと思ったら、「福島以外に住む僕たちは年間1mSvなのに、なぜあの人たちは20mSvで平気なんだ」と疑問を持って言うべきでしょう。
―雁屋さんに対し、政治家たちはこぞって根拠のない風評だと言いました。それに対してはどう思いますか。
雁屋 風評とは、噂やデマなど事実に即してないことを言いふらすことです。僕が言ってることは自分が体験した事実。それを風評というのは到底受け入れられない。風評と言う人は僕の言ったことのどこが風評かその根拠を示してほしい。誰のどの論文を根拠として、低線量や内部被曝では何も症状は出ないと言い切れるのか。そうしないと議論にならない。
―今、意見が違うと対話もできない風潮になっています。
雁屋 意見が食い違うだけでなく、福島の真実を語ると社会の裏切り者みたいな空気がある。みんなの和を乱すようなことするなって。とにかく僕はきちんともう一度議論したい。みんながいろんな意見を言う。それをしないで縮こまっちゃって、特に福島では放射能のことを何か言うと「おかしい」って言われる。
でも自分たちの命がかかってることなんです。福島の人たちには声を上げてもらいたいし、福島から逃げる勇気を持ってほしいと思います。
***
原発事故から4年が経過し、福島の復興に水を差す恐れがあるテーマは、議論することさえはばかられる風潮が強まっている。だが被曝問題は住民の健康に関わる重要なテーマ。すべてを風評のひと言で片づけず、きちんと議論や検証をしようという雁屋氏の意見は正論だ。
中には渦中に沈黙していたのに、何を今さらとの声もある。だが当時、首相までもが一マンガを批判する異常な事態下で、冷静な議論ができたのかは疑問だ。
■雁屋 哲(かりや・てつ)
1941年、中国・北京生まれ。東京大学教養学部基礎科学科で量子力学を専攻。電通勤務を経てマンガ原作者になり、1983年より『美味しんぼ』(画・花咲アキラ氏)を連載
(取材・文・撮影/桐島 瞬)
手軽でおいしいコンビニコーヒーに、プレミアム感たっぷりのサードウェーブコーヒーなど、ますます充実する日本のコーヒータイム。
【写真】歯が白い男性と黄ばんだ男性のイメージがこんなに違うとは!
一日に何杯も飲むというマニアも多そうだが、コーヒーを愛飲していると気になってくるのが「歯の黄ばみ」。これは「ステイン」と呼ばれ、コーヒーなどの食品に含まれるポリフェノールなどの着色物質が歯の表面に付着することで起こるという。
このステインを除去するには、毎日の歯磨きだけでは不十分。定期的に歯科で「ホワイトニング」をしてもらうか、市販のホワイトニングアイテムでホームケアをする必要がある。とはいえ、忙しくてそんな時間もなかなかとれないという人も多いだろう。
そこで、手軽でしかも安全にステインを除去する効果があるとして注目されているのが、ホワイトニング効果のある「メタリン酸ナトリウム」配合のガム。
ロッテ中央研究所は、3月13日に次のような研究結果を発表した。歯の表面を覆うエナメル質と同じ成分のディスクをコーヒーに浸して着色し、それらを「だ液」に浸した場合、「メタリン酸ナトリウム配合ガム抽出液」に浸した場合、「メタリン酸を含まないガム抽出液」に浸した場合で効果を比較。その結果、「メタリン酸ナトリウム配合ガム抽出液」で、高いステイン除去効果が得られたというのだ。
【詳しくはこちら⇒http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000497.000002360.html】
つまり、日常生活の中でメタリン酸ナトリウム配合のガムを噛むだけで、手軽に歯のホワイトニングができてしまうということ。しかも、この成分は食品添加物としても認可されるほど安全性が高いもの。これで、気がねなくコーヒータイムを楽しめるということか!
ところで、実際に「歯の着色汚れ」は人の見た目にどれくらい影響を与えるのか? 株式会社ゲインは20~40代の働く男女300名を対象に「歯の白さに関する意識調査」(2014年10月)を実施。それによると、なんと歯が黄ばんでいるだけで、女性からの好感度が大幅にダウンしてしまうことがわかった。
まず、歯が黄ばんでいる人にどのような印象を持つか聞いたところ、「笑顔の輝きが減る」(84.3%)、「不潔に見える」(80.0%)、「好きな人でも冷める・がっかりする」(73.0%)と、男女ともにマイナスイメージが続出!
そんな大げさな…と思うかもしれないが、調査ではこんな興味深い結果が出た。同じ男性の白い歯の写真と黄ばんだ歯の写真を女性200名に見てもらい、何歳に見えるか聞いたところ、白い歯は平均28.1歳、黄ばんだ歯は31.2歳という結果に。なんと、歯が黄ばんでいるだけで3.1歳も老け顔に見られているのだ!
さらに、白い歯の写真のほうが「笑顔が輝いている」(96.0%)、「さわやか」「かっこいい・イケメン」(同率95.0%)、「清潔感がある」「モテそう」(同率93.5%)などなど女性からのモテポイントもかなりのハイスコアに。
そんなポジティブな視線を異性から浴びる人は自信にもあふれているようで、歯が白い人の72.7%は人付き合いが「得意」と答えたのに対し、黄ばんでいる人は49.7%とダウン。さらに歯の白い人は友達も「多い」(57.9%)し、異性に「モテる」(67.8%)ほうで、コミュニケーション能力も「高い」(70.2%)と自負していることが判明。ここまで差が出るとは…。
笑顔がさわやかで自信のある男を女性たちが放っておくはずがない。黄ばんだ歯を気にして消極的になるなんて大きな損。オーラルケアをした輝く白い歯でポジティブな毎日を送ろう!