政治そのほか速
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まるで古いSF映画の小道具のようなデザインだが、ここで紹介するものは、70年以上前にイギリスの極秘軍事研究所で開発されていた本物の兵器だ。
“チャーチルのおもちゃ屋”とも呼ばれていた国防省1課は、英国の元首相であり、連合国側を勝利に導いたウィンストン・チャーチル(1874年 – 1965年)によって1939年に設立された兵器研究所である。チャーチルは戦争における科学技術の重要性を確信していた人物であった。
そこでは奇妙な発明品の積極的な試験が奨励されていた。その多くがほとんど使い物にならなかったものの、中には第二次世界大戦を終結させるほどの重要な役割を担った兵器も開発された。
■ 1. パンジャンドラム ー ロケットを覆う巨大な車輪
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“太平洋の壁”とは、連合軍の侵攻に備えてナチスが築いた海岸防衛線のことだ。連合軍にとっては厄介な障害であり、これを突破するための方法が考案された。
パンジャンドラムは一見したところ兵器には見えないが、巨大な木製車輪の車軸には大量の爆発物が内臓されている。コルダイト・ロケットによって最大時速97kmで走行するとされたが、火薬を搭載していない状態でも1800kgの重量があった。何度も実験が行われた末に、進路を大きく逸れたプロトタイプが海でバラバラになってしまい、それが最後の実験となった。
■ 2. タイム・ペンシル ー 総統の命を狙った隠し起爆装置
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えんぴつ型の時限信管で、一方の先端には腐食性塩化銅が充填される容器を内蔵している。爆薬に挿入し、起爆タイマーとして使われた。先端の容器を壊すと、塩化銅が金属ワイヤーを溶かし始める。ワイヤーが切れると、バネによって撃針が内部の空洞を信管まで走り、爆薬を点火するという仕組みだ。アフリカでは、SASによる隠密作戦で多用された。1944年7月20日のヒトラー暗殺作戦に用いられたこともある。
■ 3. リムペットマイン ー 人間魚雷
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爆薬を人間に取り付けて人間魚雷にするというアイデアは、第一次世界大戦末期に発案された。チャーチルのおもちゃ屋では、さらに改良を加え、潜水工作員に2kgの爆薬を携帯させ、当時世界最強の磁石で敵艦に取り付けるというものを開発した。船底に大穴を開けられたらたまったものではないだろう。1943年のシンガポール港での戦いでは、日本軍艦7隻を沈めるという大戦果を残している。…