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アメリカの映画業界が、若者向け映画の宣伝ツールとして注目しているのが「オキュラス・リフト」。最先端の映像体験ができるこの話題のアイテムを紹介しよう。
近年、米国で映画の記者会見を取材すると「オキュラス・リフトを体験してみてね」と言われることが増えた。指定された部屋に行くと、水中メガネのようなゴーグルを装着し、ヘッドホンを付けた人がクビを左右前後に振りながら楽しそうにしている。
オキュラス・リフトとは、ヴァーチャルリアリティーを楽しめるヘッドセットとその映像と言えば分かりやすいだろう。
昨年、LAで開催された世界最大のコンピューターゲーム見本市、エレクトロニック エンターテイメント エキスポでも注目されたオキュラス・リフト
(C)Zhao Hanrong / Xinhua / ZUMAPRESS.com / ゼータ イメージ
『ダイバージェントシリーズ:インサージェント』のオキュラス・リフトは、サムスンのギアVRを使用
Photo by Eric Charbonneau
(C)Lionsgate
ヘッドセットには液晶ディスプレイが組み込まれており、360度の映像が装着者の動きに合わせて変化するようになっている。
この画期的な装置を映画やゲーム業界が見逃すハズはない。新時代の娯楽として注目を浴びており、開発会社のOculus VR, Inc.は、昨年春にフェイスブックに買収された。
技術的には平均的な映画の長さである2時間の映像の制作・プレイが可能になっているが、米国の映画業界では、今のところ宣伝ツールとしてのみ使っている。
記者会見の会場では、取材者がオキュラス・リフトを体験できるスペースが設けられることが多くなった。
昨年公開された『ヒックとドラゴン2』では、ドラゴンに乗っているような気分が味わえる専用の乗り物付きで、オキュラス・リフトを筆者は体験した。映画『イントゥ・ザ・ストーム』では特別ブースに入り、ウィンドマシンの効果付きで竜巻のヴァーチャル体験をした。映画『インターステラー』では、無重力の宇宙船の中にいるような気分が味わえ、つい先日行われた映画『ダイバージェントシリーズ:インサージェント』の記者会見では、映像の中と同じ椅子に座り、ヒロインが体験したようなヴァーチャルリアリティーを堪能した。
同作は、劇中でもヴァーチャルリアリティーが頻繁に登場し、オキュラス・リフト内の映像も劇中のシーンを再現するものがあり、そこでも映画と同じ俳優がそれぞれのキャラを演じているため、これまでのオキュラス・リフトで最も理にかなった効果的な宣伝映像だった。…