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去る2月28日、2015年のラグビー日本選手権はヤマハ発動機ジュビロ(以下ジュビロ)の初優勝で幕を閉じた。トップリーグが2ndステージでは1位パナソニックワイルドナイツから5位サントリーサンゴリアス(以下サンゴリアス)まで5勝2敗という史上まれに見る大混戦であったり、日本選手権で帝京大学が9年ぶりにトップリーグ所属チームであるNECグリーンロケッツを破るなど様々なドラマを生んだシーズンではあったが、最後は一番「物語」を持っていたジュビロが優勝した。
まず、ジュビロは一度「見捨てられた」チームである。本業の不振から2010年度のシーズン、正社員のみのチーム編成となった。これは当時在籍していたプロ契約の選手たちには事実上退団を迫るに等しい方針であった。実際にチームを去った有力選手が少なからずいたように記憶している。
このシーズン、ジュビロはトップリーグで敗戦を重ねた。入れ替え戦に辛うじて勝ってなんとか陥落を免れるのが精一杯。そしてまたこの編成方針は、プロ選手契約を結ぶことが一般化しつつあった大学のトップレベルの選手たちの選択肢からジュビロが消去されることも意味していた。
チームの戦力が低下しているのに、それを支援する強化策も打ち出されない……。このままではジュビロは記憶の彼方に追いやられるチームになってしまう。そこに登場したのが現監督、清宮克幸氏である。
清宮氏は低迷していた母校早稲田大学の監督に就任するや、見事に再建を果たした。特にラストイヤーとなった2006年のシーズンには早稲田史上最強のチームと言われる「佐々木組(※)」を作り上げ、日本選手権でトヨタ自動車ヴェルブリッツを破るという大金星を挙げた。
※早稲田大学ラグビー部では年度毎のチームにその年のキャプテンの名前を冠する「~組」と呼び習わす習慣がある。当時のキャプテンは佐々木隆道氏(現サンゴリアス)。ちなみに今回の決勝戦には青木、畠山、佐々木(以上サンゴリアス)、矢富、五郎丸(以上ジュビロ)と5人の「佐々木組」が出場した。
この実績を引っさげて、清宮氏はやはり停滞気味だったサンゴリアスの監督に就任した。早稲田の監督の時代はサントリーに籍を置いたままだったが、サンゴリアスの監督に就任すると同時に同社を退社。文字通りのプロ監督としてスタートを切ったのがサンゴリアスというチームだったのだ。
サンゴリアスの清宮監督はトップリーグこそ1度制したものの、日本一の称号にはついに届かなかった。…