政治そのほか速
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元恋人は、何かとややこしい存在だ。“去るものは日々に疎し” で、会わなければ忘れ去ってしまうこともあるが、普段から連絡を取ったり会えてしまう環境だと、ふとしたことがきっかけで昔の想いがよみがることもある。
そんな、苦くかつ淡くもある複雑な想いを元恋人グレッチェンに抱いていたのが、『ブレイキング・バッド』の末期癌(がん)を宣告された化学教師ウォルター・ホワイトだ。以前、ウォルターとグレイマター社を設立して彼の研究を基に大富豪となり、グレッチェンと結婚したエリオットについてとり上げた。
会社と恋人を奪った元親友に、莫大な癌治療費を出してもらうよう頼みに行く状況に置かれたウォルターの心情は、察するに余りある。元恋人に対して、うだつの上がらない自分の姿は見せたくなかっただろう。そこで今回は、ウォルターと複雑な関係にあったグレッチェン役を演じたジェシカ・ヘクトにスポットライトを当ててみたい。
・『ブレイキング・バッド』の監督の妻
米ニュージャージー州生まれのジェシカが、女優を目指してロサンゼルスに引っ越したのが32歳の時。女優になるにしては遅いスタートを切った彼女は、俳優ジョージ・ウェントの子供達のベビーシッターをしながら、端役としてテレビドラマに出演するようになった。
そして、ロスに移住してから2年後、子供向けテレビチャンネル、ニコロデオンでアニメーターとして働いてたアダム・バーンスタインと結婚。のちにドラマ監督として活躍するようになったアダムは、『ブレイキング・バッド』のエピソードを8話監督している。
・ウォルターとのキスシーンで気を利かせた監督
こうして夫と一緒に仕事をすることになったジェシカだが、シーズン1のフラッシュバックシーンではウォルターとのキスシーンが用意されていた。いつもは、出演俳優のそばに待機して演技指導をするアダムだが、キスシーンでは妻を気遣って遠くに離れていたそうだ。何とも気を利く旦那様である。
・クリエイターと同級生
さらに監督が夫である以外に、クリエイターのヴィンス・ギリガンはジェシカと同じニューヨーク州立大学出身で同期なのだ。何かと『ブレイキング・バッド』の製作陣と縁がある彼女だが、演劇学科だった彼女と映画製作学科だったギリガンに面識はなかった。
・父親が物理学者のジェシカは、化学の心得がある
前出のフラッシュバックシーンで、ウォルターとジェシカが化学式を論じるシーンがある。…