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【3.11震災から4年】原発の現状を描いた良質な作品群 ― 被ばく少女の”封印映画”が解禁されるまで

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【3.11震災から4年】原発の現状を描いた良質な作品群 ― 被ばく少女の”封印映画”が解禁されるまで

 【3.11震災から4年】原発の現状を描いた良質な作品群 ― 被ばく少女の”封印映画”が解禁されるまで

 

 ――絶滅映像作品の収集に命を懸ける男・天野ミチヒロが、ツッコミどころ満載の封印映画をメッタ斬り!
 
  今年の3月11日で、東日本大震災からちょうど4年目を迎える。あの2011年という年は、実に多くの劇場作品やテレビ番組が、震災被害に配慮した形で公開を自粛した年でもあった。だが反面、福島第一原発事故により原発に対する関心が急速に高まり、原発関連映画の上映は活況を呈していった。中でも監督の不祥事により封印されていた『カリーナに捧ぐ』が、完成から7年の沈黙を破って解禁されたことは、業界内外の注目を集めた。
 
  震災直後、津波シーンのある『ヒア・アフター』(クリント・イーストウッド監督)や『未来少年コナン』(宮崎駿アニメ)、大地震を再現した『唐山大地震 想い続けた32年』、放射能灰を撒き散らす怪獣が登場する『ウルトラセブン』第26話「超兵器R1号」などが公開打ち切りや延期、また放送中止となった。
 
  一方で、全国各地で続々と上映されていったのが、ドキュメンタリー監督・鎌仲ひとみの『ヒバクシャ 世界の終わりに』(03年)、『六ヶ所村ラプソディー』(06年)、『ミツバチの羽音と地球の回転』(10年)や、喜劇映画を得意とする森崎東監督の『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』(85年)など、原発の現状を描いた良質の作品群だった。
 
  また、放射性廃棄物の最終処分場となったフィンランドの島に建造された施設に、世界で初めてカメラが入ったフィンランド映画『100,000万年後の安全』(マイケル・マドセン監督)は、渋谷アップリンク・ファクトリーが2011年の秋に公開を予定していたのだが、急遽繰り上げて上映。劇場は連日の満員となり、上映館は全国に拡大していった。
 
  そうした動きに足並みを揃え、2011年11月に公開された作品が、被曝したベラルーシの少女カリーナの日常を描いた『カリーナの林檎 チェルノブイリの森』だった。今関あきよし監督が、自らチェルノブイリにガイガーカウンターを持ち込み、甲状腺ガンや白血病に苦しむ子供達に直接取材をした力作中の力作だ(物語はフィクション)。この作品は当初『カリーナに捧ぐ』というタイトルで2004年に製作を終わらせていたのだが、公開を待つ矢先の2004年4月17日、今関監督の逮捕により7年間お蔵入りしていたのだ。
 
  当時の報道によると、今関監督は出会い系サイトを通じて知り合った当時14歳(中1)の女子生徒を「芸能人に会わせてあげる」などの謳い文句で誘い、現金2万円を渡し、川崎市内のホテルで淫らな行為をしたとして、神奈川県警少年課と港北署が児童買春・ポルノ処罰法違反容疑で逮捕。…

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