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まるで魔法!? 影ができない高層ビルが建設可能か=ロンドン

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まるで魔法!? 影ができない高層ビルが建設可能か=ロンドン

 まるで魔法!? 影ができない高層ビルが建設可能か=ロンドン

 

  晴れる日が少なく、天候的にお世辞にも明るく爽やかなイメージとはいえないロンドン――。ちょっとでも日光を仰ぎたい市民にとって、陽を遮ってしまう高層ビルはあまり歓迎される存在ではない。だが近い将来、そんな不安を解消してくれる「No Shadow(日陰を作らない)」高層ビルが現れるかもしれないという。
 
 【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2015/04/post_6121.html】
 
 ■二つのビルの光を反射させ合い影をなくす
 
  注目を集めているのはシアトルに本拠を置く設計事務所「NBBJ」が提案しているアイデアだ。NBBJはグーグルやアマゾン、サムソン等のオフィスをはじめ世界中で数々の斬新なデザインの建築物を手がけており、毎回話題を集めることでも有名である。
 
  今回の設計ではコンピューターを駆使し、特別なアルゴリズムを用いて年間365日で日光がビルに差し込む角度を計算。向かい合う二つのビルの配置を工夫し、太陽光を利用してビル周囲の日陰面積を出来るだけ減少させる設計となっている。
 
  ふたつのビルの壁面は鏡になっており、互いに反射し合うことによって、陽の光が遮られずに地面まで届くという。そのため、ビルは独自のカーブを描くように計算されている。
 
  一番のポイントは光を拡散させる(乱反射させる)点で、以前ロンドンで起こった”高層ビルに反射した光が車を溶かしてしまう事故”などが起こる心配はないそうである。
 
 ■環境を考慮した建築物が将来の新名所に
 
  実は反射を利用した同様のコンセプト自体は新しいものではなく、2013年にはノルウェーの山の谷間にある、冬に日照時間の無くなってしまうリューカン村に太陽光を届けるプロジェクト(その際は巨大な反射鏡を山頂に設置)の成功例もある。
 
  今回、提案されたデザインは、現時点ではまだ具体的な計画ではなく、ロンドン郊外にある経度0度の「グリニッジ子午線」付近に建てることを想定して実験的に設計されたものだという。立地条件が変化する場合は微調整が必要かもしれないが、基本的には高層建築物全般に応用できるという。
 
  NBBJロンドンオフィスのデザインディレクター、クリスチャン・クープ氏は「例えばドバイのような暑い地域では、反射光をより少なくするようにビルの形状を変化させなければならないだろう」とインタビューに答えている。
 
  奇抜さや目新しさだけではない、環境を考慮した上質なデザインの建築物の数々。もし完成したら、現地の新しい名所となるに違いない。
 (文=Maria Rosas.S)

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