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インテルは21日、科学技術館にて「ムーアの法則」50周年に関する記者説明会を開催した。ムーアの法則とは、米Intelの創立者の一人であるゴードン・ムーア氏が1965年4月19日に発行されたElectronics Magazineに載せた論文「Cramming more components onto integrated circuits」で示された、集積回路におけるトランジスタ数増大に関する予見である。
1965年当時は「毎年2倍で少なくても10年続く」と記載されているが、1975年に「24カ月に2倍」と改められた。この集積度の増大ペースは現在も続いている。
冒頭登壇したインテルの阿部剛士氏はまず、Intelのミッションステートメントが2014年変更し、新たにムーアの法則に関する記述が追加されたことを紹介した。
また、「ムーアの法則というと技術的な指針やロードマップという側面が強調されているが、経済と社会にも大きな影響を与えている」とし、いくつかの事例を挙げつつ、50年にわたる成長で与えた影響について説明した。
一方、単にプロセスをシュリンクし、集積度を上げるだけでは性能を上げることができなくなりつつある。しかし、インテルの技術では90nmから歪みシリコン(Strained Silicon)、45nmからHi-Kメタルゲート、22nmからトライゲートトランジスタといった新たな技術を取り入れることで、パフォーマンスの向上や消費電力の削減を実現してきた。
阿部氏は、最新のプロセスである14nmのとなる10nmは現在、実用化へ向けての開発が進められている。続く7nm、5nmといったプロセスも技術研究中であるとし、まだ微細化には先があると説明する。さらに、CMOS以外の手段や3D構成など微細化以外の要素も含め今後も性能向上を目指すという。
続いてインテル株式会社の土岐英秋氏はムーアの法則によって、インテル自身も戦略を転換してきたことを説明。1985年にメモリ製造を止めてCPUに特化したこと、2005年にプラットフォーム戦略、2010年にさらにソフトウェアとサービスを加えたとこれまでの歩みを振り返る。
現在も処理能力の追求や新たな機能を盛り込むことで、PCそのもののフォームファクタが多様化したり、ユーザーインタフェースも自然なものへと変化しているという。
ムーアの法則50周年に関しては今回の記者説明会だけにとどまらず、2015年の夏休みに科学技術館にて「『ムーアの法則』50周年記念展示」を行うと発表した。詳細は後日との事だが、普段普通の人では見ることができなかった半導体ウエハや、i4004からの歴代の主なCPUの展示、ビデオ紹介と説明コーナーが予定されている。