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「肘の問題」の議論再燃も先発6人制実現は困難か、導入に立ちはだかる壁とは
テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有投手が17日、損傷した右肘靱帯(じんたい)の修復を図る通称「トミー・ジョン手術」を受けた。通常復帰までに1年以上を要する。3年間で39勝を記録したメジャーを代表する右腕の今季絶望というニュースは日米メディアで大きく報じられた。昨年からマイアミ・マーリンズのホセ・フェルナンデス投手、ニューヨーク・メッツのマット・ハービー投手、ダルビッシュといった各チームのエースが右肘を手術して長期離脱を強いられていることから、「肘の問題」に再び注目が集まっている。
肘を痛める投手が続出する原因については、「登板間隔が短すぎる」「投げ込み不足」「投げ込み過ぎ」「試合数が多すぎる」「アマチュア時代の登板過多」など様々な理由が挙げられている。この中で「先発6人制」導入の可能性についての議論が熱を帯びている。
現在のメジャーリーグで先発ローテーションは5人。登板間隔は基本的に中4日で、日程の関係で5日になることもある。5人で回せば、年間33~35試合。先発を6人で回せば連戦が続いても中5日となり、年間の登板数を25試合程度に減らすことができる。
「(登板間隔が中5日以上あれば)靱帯(じんたい)などの炎症は全部取れる」
ダルビッシュが昨年のオールスターゲーム前の会見で語っていたように、負担軽減に繋がるとみられている。
ただ、多くの関係者の話を総合すると、「すぐには実現しない」という見方が強いようだ。メジャーの投手は中4日での調整に慣れており、このルーチンを変えるというのは容易ではない。また、多くのトップ級の投手は契約ボーナスを結んでおり、中4日でどんどん投げていき、シーズン200イニングという数字を目指すのが主流となっている。
黒田もメジャー時代に指摘、「球団レベル」の問題
経営的観点からもクリアすべき問題はある。昨季までニューヨーク・ヤンキースでプレーした広島カープの黒田博樹投手は先発6人制について、こう語っていた。
「選手のパフォーマンスのことだけ考えたら良いと思うが、球団経営とかそういう部分では分からない。現場の考えより、ゼネラルマネジャーを含めた球団レベルの話になる」
エース級の投手に対して年俸20億近く費やしているオーナーが、登板数を年間5~8試合も減らすことに同意できるのか。また、日本のように登録選手数を増やせば人件費の高騰につながる。…