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岐路に立つエネルギー計画 慎重な議論を

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岐路に立つエネルギー計画 慎重な議論を

 岐路に立つエネルギー計画 慎重な議論を

 

  東日本大震災から4年。福島第一原子力発電所の事故の後、日本は国内の原発をすべて停止したままここまでやってきた。節電や火力発電へのシフトなど、さまざまな努力が功を奏している。一方で、火力発電への依存度増大は、化石燃料の使用に伴う温室効果ガスの排出量増大という負の側面も持っている。今年に入って、経済産業省の「長期エネルギー需給見通し小委員会」の初会合が開かれ、電力構成比に関する議論が始まったのを受け、トレンド総研が20~59歳の男女500人に、電力・エネルギー問題への理解度などを調査したレポートを公表した。

  それによると、震災後、電力・エネルギー問題に関する行動に変化があった人は71%。具体的には、「電力・エネルギーに関する情報やニュースが気になるようになった」(81%)、「エネルギーや電力について周囲の人と議論したことがある」(21%)など、情報収集にとどまらず積極的な意見交換まで、震災をきっかけに意識の変化があったことが分かった。

  だが、電力やエネルギーについて、「分かりやすい情報を手に入れられていると思う」という人はわずか9%。問題を「十分に理解できていると思う」人も12%にとどまった。具体的には、例えば電力構成比に関する認識。2013年の火力発電の割合は88.3%だが、回答者の予想は42.7%。従前の原発の発電量を火力で補っているという認識はあっても、その割合がどのくらいかとなると、予想と実際の電力構成比には大きな隔たりが出た。逆に水力発電の予想回答は19.3%(実際は8.5%)、地熱発電や新エネルギーの回答は12.4%(実際は2.2%)と、予想が実際を上回り、回答者の期待と“希望的観測”が如実に現れた形だ。福島第一原発の排水溝から高濃度の放射性物質を含む水が外洋に漏れ続けるのが放置され、一年近く前に事実を把握しながら公表もされなかったことなども考え合わせると、「分かりやすい情報」への渇望や、新エネルギーへの期待の大きさも合点がいく。

  一方で、温室効果ガスの削減目標を定めた京都議定書では、議長国を務めた日本。すでにポスト京都議定書を議論する時代に入っているが、火力発電の増加は低炭素化に逆行しており、電力の安定供給や電力構成比の見直しという大きな課題が目の前にある。今回の調査でも、電力・エネルギー問題に関するテーマ別にその関心度を聞いたところ、「原発のリスク」や「電気料金の値上げ」については8割以上の人が関心を示したが、温室効果ガスの排出量増大については65%にとどまり、ほかのテーマよりも低い注目度が気になるところ。…

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