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断続的に考え最後の5分で決断 -オリックス元会長兼CEO 宮内義彦

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断続的に考え最後の5分で決断 -オリックス元会長兼CEO 宮内義彦

 断続的に考え最後の5分で決断 -オリックス元会長兼CEO 宮内義彦

 ■断続的に考え最後の5分で決断
 私にとって一番大事な仕事は、オリックスという会社の5年後がどうあるべきかを考え、その方向に舵を切ってゆくこと。ところが自分の優先順位から7番目の仕事をやってくれとか、どこそこで挨拶してくれと15番目くらいの用事を言われるから、げんなりしてくる(笑)。
 睡眠時間を大きく削って仕事を入れることはありません。社長になって半年経った頃、過労でダウンしたことがあり、体が弱ると途端に仕事に差し支える。今は仕事に命をかけるなんて大嫌いです。夜に考えごとをすると頭に浮かんでくるのは大抵心配事で、そのうち枕元にメモ帳を置いて考え始める。しかし朝、メモを見返すと、会社がおかしくなるような案ばかりです。夜は悪魔の時間。後ろ向きの、人間不信の考えしか出てこない。
 夜はよく寝る。そして早起きして、お日様に当たりながら考える。そうしなければいいアイデアは浮かんできません。大切な決断は必ず朝にします。
 平日の昼間、じっくり考える時間はほとんど取ることができません。かといって「今日は考える日だからスケジュールを空けておきました」と言われても考えられるものでもない。思考を追い込んでいって、最後の決断というのは5分あればできる話です。そこに辿り着くまで断続的に考え続けているのであって、「考える時間」をつくって考えているのではありません。
 

 (08年2月18日号 当時・会長 構成=小川 剛)
 ■小宮一慶氏が分析・解説
 深く考えることで、頭のなかのデータベースがフル回転し始める。そして、お客さま志向などの仮説を打ち立てて、「これはお客さまのためになることなのか」、瞬時に判断していけるようになっていく。「直感が冴えるようになる」と言い換えてもよい。
 物事を深く考えるということは、普段から訓練を積み重ねることではじめて身につくのだ。しかし、考えられない人は、もともと「自分がものを考えていない」とは思っていない。それ以上踏み込む努力を怠ってしまう。それでいつまでも“バカの壁”を越えられずにいるのだ。
 「グッドはグレートの敵」とも言う。現状に満足しがちな中間管理職ほど、このことを戒めておく必要がある。
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 小宮コンサルタンツ代表取締役 小宮一慶 
 
 1957年、大阪府生まれ。京都大学卒業後、東京銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行。96年に小宮コンサルタンツを設立し、現職。『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』など著書多数。
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