政治そのほか速
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中国は自己主張の国だと言われる。人口が多いため、自ら主張しなければ何もしてもらえない社会である。そんな中国人にとって、日本人の「以心伝心」、言葉にしなくても相手の気持ちを察するというコミュニケーション手段は、どこか不思議で、大きな力を秘めていると感じられるようだ。山東大学威海分校翻訳学院の庄恒さんは、日本祭りを通して感じた「以心伝心」について、次のようにつづっている。
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楽しみにしていた日本祭りがようやく開催された。本格的な日本料理はどうやって作るのか。本当の日本人は一体どのような人間なのか。教科書に書かれたように行動するのか。日本語科の学生として、大変興味を持っていた。
日本祭りには、いろいろ感動するようなことがたくさんあった。交流会で、日本人は相手のことをよく考えることや、いつもまじめに規則通りに行動することなどがよく理解できた。日本祭りで一番印象に残ったのは、日系企業の社長さんだ。催しものの一つとして、「たこ焼き」の実演販売会があった。販売会が終わって机を見ると、大変汚れていた。「どうやって片付けたらいいのだろうか。きっと面倒くさいだろうな。もし掃除をしたら、私の服が汚くなるかもしれない」と、私は困惑していた。
そこへ社長さんが雑巾を持ってやってきた。私はまだ二年生で、社長さんが何を言っているのかよく理解できなかった。どうしたらいいのかと迷っていると、なんと社長さんが自分で掃除を始めたのだ。汚れを気にすることもなく、机を一生懸命にきれいにした。社長なのにこんな汚れ仕事をすることに、私はとても驚いた。社長さんがやっていることがどうして私にできないのか。顔から火が出るほど恥ずかしかった。その時、社長さんと目が合った。「社長さん、掃除のことを私にまかせてください」という気持ちを私の目から感じ取ったのか、社長さんは首を縦に振って、ほかの所に行ってしまった。
小さなことだが、一生忘れられないのは、この瞬間の「以心伝心」である。実は、毎日勉強が忙しいせいもあって、私たちの寮ではあまり掃除をしなかった。紙くずや果物の皮などが散らかり放題であった。何度もほかの人に注意したが、効果がなかった。そんな時、「そうだ。日本人の以心伝心でやってみよう」と思い付いた。一人で4時間かけて部屋を掃除した。
夕方になって、同室の人たちが次々と帰ってきた。きれいになった部屋を見回して、みんな驚き、それと同時にうつむいて恥ずかしそうな顔をした。…