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2015年3月7日(土)、三鷹市芸術文化センター星のホールにて「『思い出のマーニー』特別上映と米林宏昌監督講演会」が開催された。これは「三鷹の森アニメフェスタ2015」内のプログラムの一部として企画されたものだ。
BD/DVDリリースを控えた『思い出のマーニー』をスクリーンで見られるという貴重な機会や入場無料に加え、米林監督の貴重な話が聞けると言うことで会場は満席状態。司会及び聞き手に小島一宏アナウンサーを迎え、様々な話題に言及した講演会となった。
奥さんの手作りというてんとう虫のブローチがあしらわれたベレー帽を被り、トラッドスタイルで登場した米林監督は、マーニーが今年1月にはフランスで、3月に韓国、5月にアメリカで順次公開となることについて「世界中で見られるというのは幸せな事です」と語った。
前作『借りぐらしのアリエッティ』(2010年)から2作続けてイギリスの話を描いている米林監督だが、意外なことにイギリスへは行ったことがないとのこと。アリエッティでは「アメリカ英語」と「イギリス英語」2種類の英語吹き替えが作成されたことに触れつつ、いつかイギリスへ行ってみたいと話した。
『マーニー』制作時の苦労としては、やはり原作をアニメにするという根本の部分が大きかったようだ。多くのインタビューでも語っているように、原作のアンナの語り口や心理描写をアニメーションにする手がかりを見つけられず、ついには鈴木敏夫プロデューサーに「やりたくないです」と直談判も行ったという。ただ、動きの少ない静かな作品、地味とも取れる作品をやるのは貴重な機会だと自覚していて、挑戦心はなくならなかった。
さらには宮崎駿さん、高畑勲さんが相次いで『風立ちぬ』(2013年)『かぐや姫の物語』(2013年)と、対象年齢の高めの作品を発表している中で、米林監督は「子どものためのアニメを作りたかった」と打ち明け、『マーニー』を完成させたとのこと。「ただ、できたものはけっこう難しいものになってしまいました」とはにかみつつ付け加えた。
心理描写を言葉・セリフではなくアニメーション・動きで現すということに光明を見出したのは「杏奈は絵を描く女の子」という、原作にはない設定を付けたことが大きいという。絵を描く時の姿勢や、書き上がった絵に、杏奈の心理描写を託した。
また、マーニーを金髪にしたことに対し、宮崎さんから「金髪なのは気に入らない」とダメ出しが入る一方、米林監督は「金髪が描きたかった」と押し切ったのだという。…