政治そのほか速
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少しひねくれたことをいえば、自動車の最新技術なんて本当たいして新しいものではない。というのは、一般ユーザーが買える価格で大量生産でき、しかもひとを乗せて高速移動しても“安全である”機器でないと使えないからだ。つまり、新しい技術は、大抵こなれてからじゃないと自動車には搭載できない。
では、自動車の技術においてすごいところはどこか? それは生産技術だと筆者は思っている。あの大きくて複雑な機械をあの価格(安い軽自動車ならiPhone 10個分もしない)で買えるのは驚異的だ。それは徹底してコストの低減を追求した高度な生産技術のおかげだろう。
したがって、自動車を生産している現場は、自動車そのものよりもずっと見る価値がある。
■ 搭載前の水素タンクも見られる
トヨタが『MIRAI』の生産ラインの動画を発表した。ご存知の方も多いとは思うが、『MIRAI』は国産初の量産FCV(燃料電池自動車)だ。燃料である水素を、燃料電池“FCスタック”において酸素と反応させ、発電をしてモーターで駆動する。
排出するのは水のみ。つまり、温室効果ガスは排出しない。
モーター駆動でありながらEV(電気自動車)と違うことは、バッテリーに蓄電した電気を消費するのではなく、随時発電を行うことだ。
そしてEVは航続距離が短く(長くするためには大量のバッテリーを搭載する必要があるため重くなる)、充電に時間がかかるのに対し、FCVは航続距離を長くでき、水素の再充填時間も短い。
したがって、FCVのパワーユニットは通常のガソリン自動車と大きく異なる。ガソリン自動車では、スペースを有効活用するべく、ガソリンタンクの造形をやや複雑にできるが、『MIRAI』は純然たる円筒形の水素タンクを搭載する。水素の高圧に耐えられないといけないので、タンクの形状には自由度がないのだ。
また、前部のボンネット下には車輪を駆動するモーターユニットがエンジンの代わりに収められるが、そのほかに発電装置であるFCスタックをフロア下に搭載している。動画を見ると、このFCスタックと前述の水素タンクが、けっこうかさばることがわかる。
■ MIRAIの製造は手作業が多い
それにしても、『MIRAI』の生産ラインを見ると手作業が多い。
量産ガソリン車では機械に任せるようなシンプルな作業まで人間が行っているように見える。これは作業が難しいからではなく、3台/1日という生産量から、わざわざオートメーション化した生産ラインを構築するのは効率が悪いからだろう。…