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2015年春闘は18日、賃金相場の形成に大きな影響力を持つ自動車や電機など大手製造業の集中回答日を迎え、大半の企業が賃金水準を底上げするベースアップ(ベア)の実施を回答した。円安を追い風にした好業績を背景に昨年を上回る高水準で妥結した企業が相次いだ。年間一時金(ボーナス)も満額回答が続出した。デフレ脱却と経済の好循環実現を目指す政府の賃上げ要請にも応えた。今後は中小企業にも賃上げが波及するかが焦点となる。【大久保渉、和田憲二】
◇一時金も高水準
自動車や電機などの労働組合で構成する金属労協本部(東京都中央区)では、午前10時ごろから回答がホワイトボードに書き込まれた。
金属労協の相原康伸議長(自動車総連会長)は記者会見で「歩幅の大きい2歩目だ」と昨年を上回るベアに一定の評価をした。
自動車は、労組が足並みをそろえてベア月額6000円を要求。これに対し、15年3月期連結決算で本業のもうけを示す営業利益が過去最高の2.7兆円を見込むトヨタ自動車は、ベアに相当する賃金改善分として4000円を回答。現行の要求方式となった02年以降では最高だった昨年実績(2700円)を上回った。上田達郎常務役員は記者会見で「競争力強化のため組合員の力を引き出すことに加え、日本経済活性化の視点や物価上昇も総合的に勘案した」と説明した。
日産自動車はベア5000円を回答し、昨年(3500円)を大きく上回った。ホンダも3400円を回答(昨年2200円)。年間一時金は、トヨタが月給6.8カ月分(約246万円)の要求に満額回答したほか、日産、ホンダ、三菱自動車、富士重工業も満額回答だった。
電機も、日立製作所やパナソニックなど大手6社がベア3000円を統一回答。現行の要求方式となった1998年以降で最高だった昨年(2000円)を上回った。一時金は業績に連動させて決める企業が多いが、日立と三菱電機の回答は過去最高だった。
昨年4月の消費増税後の景気停滞が長引く中、政府は、企業に積極的な賃上げを要請。大手製造業の多くでベアが復活した昨年に続き、政府が経済界に賃上げを迫る「官製春闘」となった。ベアは退職金などに反映され、将来にわたって人件費が増えるため、経営側には慎重論もあったが、最終的には高水準のベアに踏み切る企業が相次いだ。