【ニューヨーク＝水野哲也】「イスラム国」などの過激派組織が誘拐の身代金や石油の密売などを主要な資金源としているとして、このような取引に応じないように加盟国に求める国連安全保障理事会の決議案をロシアがまとめ、各国に配布したことが分かった。

　　読売新聞が５日、決議案を入手した。安保理は昨年１月にも、身代金の支払い拒否を各国に求める決議を採択しているが、イスラム国による相次ぐ人質事件を受けて、新決議によって国際社会の結束を示す狙いがある。

　　決議案は、石油密売や身代金目的の誘拐、強盗などがイスラム国などの主要資金源になっていることに深い懸念を表明。身代金の支払いや政治的な譲歩をしないよう各国に求めているほか、イラクやシリアの博物館などから強奪された古美術品や文化財などの闇取引を阻止するため、適切な措置を取るよう要求している。また、イスラム国などが国際的な金融システムを利用することを阻止することも呼びかけている。