政治そのほか速
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【ソウル澤田克己】リッパート駐韓米大使がソウルで襲われて重症を負った事件が、韓国で政治理念の対立に発展する様相を見せ始めた。政府・与党などの保守派は「親北朝鮮勢力の起こした事件だ」との批判を強め、南北交流に前向きな進歩派の野党に攻勢をかけようとしている。
李完九(イ・ワング)首相と与党セヌリ党の金武星(キム・ムソン)代表らは6日、首相官邸で今後の対応を協議。大使襲撃は北朝鮮に追従する「従北勢力」が引き起こした事件だと断定し、徹底した捜査が必要という認識で一致した。
捜査当局は、キム・ギジョン容疑者(54)が北朝鮮を7回訪問したうえ、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が2011年に死去した際に焼香所をソウルで設置しようとしたことに着目し、国家保安法違反でも立件することを念頭に置いている。
キム容疑者が訪朝したのは、南北交流が活発だった金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)両政権の時期。訪朝自体は合法で問題にできないとみられるが、北朝鮮側の主張を広めようとするなどの「利敵行為」がなかったか調べている模様だ。
一方、保守派の市民団体は事件直後から、在韓米大使館近くなどで「親北朝鮮勢力によるテロだ」と糾弾する集会を開いて気勢を上げている。
こうした動きに対して、金大中、盧武鉉両政権の流れをくむ最大野党・新政治民主連合の朴完柱(パク・ワンジュ)院内報道官は6日、「決して容認されないテロ事件だ」と述べながら、「この状況を政治的に悪用し、(国内の)分裂を招くような行為も自制してほしい」と述べた。
この点について同連合関係者は「(与党側は)政権支持率が低下している状況を巻き返すためのカードに、この事件を使おうとしているのではないか」と語り、警戒心をあらわにした。