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◇県立医大紀北分院に詩碑
人は生きねばならぬ――。県立医大付属病院の紀北分院(かつらぎ町妙寺)が創立60周年を迎えたことを記念し、分院敷地内に患者らを励ます詩碑が建立された。地域医療を長年支えてきた功績に感謝し橋本ロータリークラブ(橋本市)が寄贈した。
同分院は1955年、県が「紀北病院」を買収して開設され、現在は10診療科と104の病床がある。
詩碑は御影石製で高さと幅約1・5メートル、奥行き約12センチ。詩人の坂村真民(しんみん)(1909~2006年)が「鳥は飛ばねばならぬ 人は生きねばならぬ 怒濤(どとう)の海を飛びゆく鳥のように 人も混沌(こんとん)の世を生きねばならぬ」などとつづった詩が刻み込まれ、正面玄関前に建立された。熊本県出身の坂村は愛媛県砥部町に居を構えて活躍。「念ずれば花ひらく」の作品が有名で、「癒やしの詩人」とも呼ばれた。
また、同クラブから時計塔も贈られ、詩碑のそばに設置された。高さ約5メートルのポールの先端に円形の表示板が付いている。
16日に関係者約50人が参加して除幕式が行われた。同クラブの吉田裕会長(74)は「詩は病気で苦しむ人たちに生きる勇気を与えてくれるだろう」と話し、同分院の滝谷年克事務室長(58)は「詩碑の言葉から、人は生かされ、頑張って生きていくべき定めがあることがよく伝わってくる。闘病でつらい気持ちにある患者らを力強く励ましてくれるのでは」と感謝していた。