政治そのほか速
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「ALSの疑いがあります」。医師からそう宣告されたのは昨年5月。冬頃から、はしを持とうとしても力が入らないなど、右手の人さし指と中指に違和感があり、病院へ検査を受けに行ったときのことだ。
債務超過だったFC岐阜に資金援助を行った金融事業会社「Jトラスト」(東京)の社員で、岐阜県出身ということもあり、会社からクラブの立て直しを命じられ、4月24日に社長に就任したばかりだった。
スポンサー獲得の企業回りや、イベント企画、クラブ運営の社内会議など、やるべき仕事は数多い。ホームの試合では、必ずスタジアム入り口に立ち、サポーターらを笑顔で迎えた。
8月に精密検査を受け、ALSの診断が確定した。チームを動揺させまいと、病気のことは黙っていた。しかし、書類に判を押すときやページをめくるとき、スタッフの助けが必要になった。名刺交換で不自由を感じたり、話しづらくなったりして、キャンプイン前の1月30日、記者会見で病名を明かした。
心強いのは、家族の存在だ。妻(36)から「余命宣告されたわけでもない。これまで通り、一緒にやっていきましょう」と励まされた。11月には妻と長女(6)、長男(3)が東京から岐阜市に来て、4人で暮らし始めた。
「体が動く限りこの仕事を続けよう」と決めている。1万人を超すサポーターの熱気を肌身で感じるとき、病気のことは忘れられる。「FC岐阜が私に、前を向いて生きる力を与えてくれる」と語る。3月8日に開幕戦を迎えるチームはラモス瑠偉監督(58)のもと、J1昇格を目標に調整中。「超満員のスタジアムで、ファンの皆さんと昇格の喜びを分かち合いたい」と語る。