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出雲市別所町の古刹(こさつ)・鰐淵寺(がくえんじ)(佐藤泰雄(たいゆう)住職)で、本尊の秘仏が納められた厨子(ずし)の扉を33年ぶりに開く「開帳」が行われている。20日の開扉の法要には信徒ら300人が詰めかけ、堂奥に鎮座する秘仏に手を合わせた。22日まで。
寺伝によると、同寺は推古天皇の発願で6世紀末に開基された。中世には約80の塔頭(たっちゅう)が並ぶ大寺院で、中心となる寺が「北院」「南院」と二つあったため、本尊は「千手観世音菩薩(せんじゅかんぜおんぼさつ)」と「薬師如来」の2体が伝わる。観音菩薩は33種に姿を変えて説法するとされることから、33年ごとに開帳している。
法要では、僧侶や信徒代表、自治体関係者らが山門から数百の石段を上り、読経の流れる中、厳かに厨子の扉を開いた。本尊の手からつながる五色の布が堂の前に垂らされ、信徒たちは布の端を握りしめながら拝んでいた。
鳥取県米子市夜見町の大工、北川八洲雄さん(71)は「何度も訪れていますが、本尊を拝むのは初めて。穏やかないいお顔でした」と感動していた。(高田史朗)