政治そのほか速
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
◇県選管が投票率アップ作戦
低迷する若い世代の投票率を上げようと、県選挙管理委員会が啓発活動に知恵を絞っている。選挙権年齢の「18歳以上」への引き下げを目指す公職選挙法の改正論議も見据え、様々な作戦で政治や、12日投開票の知事選・県議選への関心を高めたい考えだ。(渡辺彩香、村上和史)
福井市学園の福井工大の食堂で2日、学生たちが昼食を食べていた。手元には「生かそうよ あなたの一票 福井のために」「投票日に予定のある方は、期日前投票ができます!」と書かれた割り箸の袋。工学部4年の加茂和弥さん(21)と同、長谷川弘樹さん(21)は「12日が投票日なんだって」「行ってみようかな」などと話し合った。
同大学の食堂ではプラスチック製の箸を使っているが、選挙期間中はこの割り箸に切り替えた。県選管が20万膳を作成。同大学を含む県内4大学の食堂や売店のほか、若者の弁当購入者が多いコンビニエンスストア313店舗、企業の社員食堂24社に協力を求めている。
昨年12月の衆院選で、県内小選挙区の投票率は50・00%(全国平均52・66%)と戦後最低を記録した。年代別の抽出調査でみると、20歳代は最も低い32・08%で、最も高い70歳代の66・84%の半分以下だった。若者の投票率向上は急務だ。
県選管が2005年に結成した「明るい選挙推進青年活動隊(CEPT(セプト))」には現在、学生や若手社会人など20人が所属する。若者自身が選挙に参加し、同世代の関心を集めようと、3月27日には隊員2人が一日選挙管理委員の委嘱を受け、知事選候補者の事務所に出向いて選挙ルールを守るよう呼びかけた。翌28日にも、2人が坂井市の期日前投票所で立会人を体験した。
立会人は、投票が公正に行われているかどうかを監視する重要な役割。会社員山田明日香さん(27)は「人口減少社会にある中、数十年後の県の姿に責任を持つのは私たち若者。県政の行方を決める選挙に1票を投じよう」と話し、セプト代表の県立大3年唐崎帆加さん(21)も「たかが1票、されど1票。白票でもいい。意思表示のために投票して」と真剣な表情を見せた。
セプトのフェイスブックでは、投票日までの日数を手書きした紙を持つ学生らの写真が毎日更新され、選挙の機運を盛り上げようとしている。県選管の担当者は「選挙は若者の意見が県や市町の施策に反映される可能性を持つ大事な機会。ぜひ投票に行ってほしい」と若者らの積極的な投票を期待する。
農業法人「わくわく手づくりファーム川北」(川北町壱ツ屋)が3月に発売した地ビールの新商品が、北陸新幹線の「かがやき」「はくたか」の車内で販売されている。女性をターゲットにした白ビールで「飲みやすい」と好評で、工場では急ピッチで生産されている。
新商品名は「グランアグリ」シリーズ。第1弾は、能美産の六条大麦に加え、小松産の小麦を使った「ヴァイツェン」と呼ばれる白ビール。バナナのようなフルーティーな香りとクリーミーさが特徴で、女性でも飲みやすく仕上げたという。
缶と瓶の2種類で販売。デザインは北陸新幹線をイメージして白、青、銅の3色を使用し、雪吊(つ)りの模様を取り入れた。価格は缶(350ミリ・リットル)が362円、瓶(330ミリ・リットル)が480円(いずれも税別)。
同ファームは「金沢百万石ビール」などの地ビールを販売しているが、小麦を使ったビールは初めて。工場には新たに二つのタンクを設置して、1日1200本ペースで生産を進めている。地元の農水産物にこだわる代表取締役の入口博志さん(63)は「醸造する際の温度調整が難しかったが、小麦の風味が強く残るビールができた」と胸を張り、「能美産のはと麦をローストして使った香ばしいビールを作りたい」と第2弾も構想している。
グランアグリは、北陸新幹線「かがやき」と「はくたか」の車内のほか、金沢駅など駅構内のコンビニや売店でも販売されている。車内販売を担当するJR東日本の子会社「日本レストランエンタプライズ」(本社・東京都港区)は「関東圏の人にとって、北陸のビールはなじみがなく新鮮。デザインも洗練されていて好評」と話している。
桜の名所として知られる敦賀市金ケ崎町の金崎宮(田村典男宮司)で「花換まつり」が開かれている。境内のソメイヨシノは満開で見頃を迎えており、参拝客はゆっくりと散策していた。15日まで。
花換まつりは、花見に訪れた男女が桜の小枝を交換して思いを伝え合ったという風習にちなんだ神事。福娘と小枝を交換すると、願いごとがかなうとされ、訪れた参拝客は福娘に「花換えましょう」と声をかけながら桜の小枝を交換していた。
家族で毎年訪れるという敦賀市櫛川、須見祐斗君(6)は「桜は白くてきれいで見ていて楽しい。(小枝は)ちゃんと家に飾る」と話していた。
◇参拝者ら 「三鈷杵」の輝きに感動
50日間に及ぶ開創1200年記念大法会が行われている高野山(高野町)は4日、期間中初の週末を迎え、境内は大勢の参拝者や観光客で混み合った。人々は、聖域の壇上伽藍(がらん)や奥之院を巡ったり、周辺の施設を散策したりして、山に修行道場を開いた弘法大師・空海の足跡をたどった。(今村真樹)
高野山真言宗・総本山金剛峯寺によると、この日の参拝者は約1万人と、平年のほぼ倍の人出だった。
壇上伽藍にある金堂では、金剛峯寺の本尊・薬師如来像が初めて開帳されており、一目見ようと入り口に人だかりができていた。兵庫県明石市の中島美佐子さん(76)は「柔和な顔立ちで、高野山のイメージにぴったりのお像。見られて幸せ」と笑顔を見せた。東京都江戸川区から来た会社員土橋和江さん(53)は「すごく大きな像でびっくりした。見ていると、心が洗われる気がした」と話していた。
空海ゆかりの「三大秘宝」や鎌倉時代の仏師・運慶が作った「八大童子立像」(国宝)などを特別公開する高野山霊宝館には、大法会が始まった2日から4日までに昨年の10倍以上の約3600人が足を運んだ。大法会に合わせて初めて訪れた宇都宮市のパート従業員小野田早苗さん(45)は、空海が中国・唐から投げて高野山まで届いたとの伝説がある法具「飛行三鈷杵(ひぎょうさんこしょ)」(重文)が印象に残ったという。小野田さんは「三鈷杵は1200年前のものと思えないほど光り輝いていた。後世の僧侶が大事に守ってきたのでしょうね」と感動した様子だった。
期間中は、高野山真言宗と交流のある他の宗派も法会を営む。この日は、曹洞宗大本山の永平寺(福井県永平寺町)などから僧侶ら約100人が訪れ、午後2時から金堂で読経した。丸子孝法・副監院は「宗派は違うが、みほとけの心を伝える点は同じ。(空海が)仏教を広めた功績をたたえ、手を合わせた」と話した。
◇江戸期は一大産地 茶屋町の住民ら栽培
若者たちでにぎわう大阪市北区の茶屋、鶴野両町の街並みを、菜の花が彩っている。地元の住民や商店主らでつくる「北梅田地区まちづくり協議会」が、「菜の花の散歩道」と銘打ったプロジェクトを実施。黄色の花が、道行く人たちに春の訪れを告げている。
「菜の花の散歩道」は2009年3月に始まった。その前年に、同協議会の若手有志らを中心に発足した「鶴乃茶屋倶楽部」が、町の歴史を勉強し、明治中頃まで茶屋、鶴野両町を含む広範囲に菜の花畑があったことを知ったのがきっかけ。江戸時代には、一大産地として発展したという。
阪急梅田駅の北東に広がる同地区は、昭和60年代まで開発が立ち遅れていた。その後、1990年に梅田ロフト、2000年代には大型の複合商業施設が次々と開業。飲食店やファッションビルが立ち並ぶ若者の街へ生まれ変わった。
菜の花は、同倶楽部が毎秋、旧市立梅田東小の敷地内で栽培。プランターに植え替えて、開花時期の3月下旬に飲食店やショップに届けている。当初、20~30店舗に配達していたが、今年は約50店舗に増加。同協議会に参加する梅田ロフトや「UNIQLO(ユニクロ)OSAKA」など約20か所でも菜の花を飾っている。
見頃は4月上旬まで。倶楽部のメンバーで、梅田ロフトそばの長屋で育った藤原尚之さん(57)は、「ここ数十年で街は激変し、昔のことを知る人も少なくなった。菜の花を通じて、町の歴史や文化に興味を持ってもらえれば」と話している。