政治そのほか速
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日本産婦人科学会の集計によると、体外受精による出生児数は2004年の1万8168人(1.64%)から、2010年の2万8945人(2.70%)へと増加の一途をたどっている。不妊治療を受けている夫婦は、確実に増え続けているのが現状だが、少子高齢化が進む日本において、不妊は避けては通れない課題なのかもしれない。
「教えて!goo」にもこんな相談が寄せられている。
「離婚すべきか悩んでいます」
質問者である妻は、夫との考え方の相違について深く悩んでいる。特にそれが顕著に表れているのが、子作りに関することである。質問者は結局人工授精を選択したようだが、その決断に至る過程では夫に迷惑をかけることを心配している。そして質問の中では、離婚も視野に入れた相談を寄せている。質問者夫婦について、世間はどのような印象を受けるのか? 複数挙げられている回答の中で、いくつか意見を紹介していこう。
「離婚はあくまで最後の手段だ。まだやれることがあるのにやり切れていないと見た」(ShidaraReitosさん)
「夫婦のことなのですからすべて二人で話し合い決めるべきことでしょう」(yumi0215さん)
「私も不妊治療の末、人工授精で子どもを授かりました。いろんなことを試して、願掛けしてようやく授かった子どもなので、自分だけの力じゃないし、旦那の協力、不妊治療の先生の協力、神様の協力があって授かった命です」(jinjinlemonさん)
現状で離婚を決断するのは時期尚早という意見が伺える。そのためには夫婦間の話し合いの必要性を訴える意見も。また違った観点では、化学療法について紹介する意見も寄せられた。
話し合いを重ねることは前提とし、その上で夫婦のどちらかが離婚を希望した場合、不妊を理由に離婚を要求できるのだろうか?
■不妊が理由で離婚はできるのか?
不妊を理由に離婚することは法律的に認められるのだろうか?「妻が不妊症であり、夫が離婚を求めた場合」を例にあげて、高島総合法律事務所の理崎智英弁護士に解説して頂いた。
「妻が不妊症であることが、『婚姻を継続し難い重大な事由』(民法770条1項5号)に該当すれば、夫から妻に対する離婚請求が認められます。しかしながら、妻が不妊症であり子どもができない、ということだけでは上記『重大な事由』には該当しないものと考えます」
「重大な事由」とありますが、具体的にどのような状態を指すのだろうか。
「妻が不妊症であることが理由で夫婦関係が極端に悪化し、もはや正常な夫婦関係を取り戻すことが不可能な状態にまで至った場合には、上記『重大な事由』が認められ、離婚請求が認められる場合もあるでしょう」
不妊を理由として離婚は難しい。それに伴う夫婦関係に大きな支障をきたした場合、初めて離婚の事由となりうるようだ。それでは離婚となった場合、決して安くはない「不妊治療費」は、どちらが負担するのだろう?
■不妊治療にかかった費用はどうなる?
「重大な事由」が認められて離婚が成された場合、それまでにかかった不妊治療費はどちらが負担することになるのだろうか。
「上述した通り、不妊だけを理由にしては離婚は認められませんが、仮に、夫婦が合意して離婚する場合、それまで妻の不妊治療にかかった治療費等は、『婚姻から生ずる費用』(民法760条)といえますので、夫婦が分担して(2分の1ずつ)負担する、ということになるものと考えます」
不妊治療費は、夫婦のために使用したお金ということで、お互いに負担することになるようだ。不妊による離婚の可否や、治療費の分配は、あくまで法律的見解によるものである。法律が万事解決してくれるのではなく、一つの手段に過ぎないと考えたい。本来、このような場合はまず夫婦間でよく話し合うことが先決だ。結論を急がず、夫婦にとって最良の選択肢を見出してほしい。
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