政治そのほか速
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地元商店街の消費喚起に期待が集まる一方、自治体には「国や県の働きかけで発行せざるをえない」と消極的な姿勢も目立つ。今回の交付金事業を巡る政策手法を疑問視する声も上がっている。
政府は、地方創生に関する交付金のうち「地域消費喚起・生活支援型」として、全国の各自治体に対し、総額2500億円の年度内交付を行う予定。各市町村がこの交付金を事業費に充てるためには、3月上旬までに申請しなければならない。内閣府による自治体向け説明資料では、プレミアム付き商品券を政策例として最初に挙げ、「消費喚起効果が高い」と推奨している。
県も同じ交付金事業を活用し、市町村によるプレミアム付き商品券発行に32億円を補助する方針を表明している。人口比で配分され、プレミアム分の上乗せなどに活用される。
こうした国や県の動きを受けて県内の自治体は発行に前向きの姿勢を見せ、読売新聞が聞き取りをしたところ、全市町村が「発行する」「発行の方向で検討」などと回答した。上乗せ率は「2割」とする自治体が多い。
受け止めは様々だ。昨年、商工会議所に補助する形で発行した市原市は、「ノウハウを持っているので準備もスムーズ。消費喚起効果は大きい」と期待する。匝瑳市も「市民生活に直結し、多額のお金が市内に落ちることになり歓迎」とする。
「周辺が実施する中、やらないわけにいかない」(北総地域の自治体)、「時間がないので、とりあえず商品券」(別の北総地域の自治体)と消極的な声も漏れる。事実上、政府主導で事業が進められている形で、房総地域の市幹部は取材に、「『ばらまき』の印象はぬぐえず、釈然としない」とこぼした。
千葉市の熊谷俊人市長は1月22日のツイッターで「地方創生の名のもとでの商品券の発行強制。趣旨は理解できるが、やるせない気持ちでいっぱい。国会議員はもっと現場を見てほしい」と訴えた。
石破地方創生相は昨年10月に千葉市を訪れた際、「今までのように『国が何かやってくれる』という話ではない。何をやるかは地域で考えてほしい。国ができることをする」と話していた。今回はそうした触れ込みとは裏腹に、自治体の独自性は、かき消されている。
内閣府地方創生推進室は「臨時施策としては最も効率的だと言っているだけだ」との姿勢で、「全国的には商店が少なく、別のアイデアを提案する小規模町村もあるのではないか」との見通しを示す。
中央大の工藤裕子教授(地方自治論)は「問われるべきは積極的なアイデアもないのに予算を無理に使おうとする国や自治体のあり方だ。政策評価制度の普及などで最近見られなくなってきたが、今回は強い政治主導で(予算使い切りの)悪弊が復活した」と指摘している。