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外国人観光客のおみやげといえば、こけしや和紙といった伝統工芸品が定番だったが、最近は次々に新顔が出てきた。ポケットティッシュや胃薬、文房具、爪切り、さらには炊飯器、トイレまで、日本人も驚くほど多岐にわたる。訪日客が増加するなか、最新の外国人向けおみやげ事情について知っておきたい。
J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」http://www.j-cast.com/bookwatch/でも特集記事を公開中。
至れり尽くせりのトイレの裏舞台
今年(2015年)も春節セールで中国人観光客の「爆買い」が話題になった。とりわけ、注目されたのが温水洗浄便座だ。なぜ、そんなものをおみやげに持って帰ったのか、と中国でもニュースになったそうだ。『世界一のトイレ ウォシュレット開発物語』(著・林良祐、778円、朝日新聞出版)は、温水便座開発の舞台裏の話である。
素人には分からない苦労があったと察しられるが、最初の壁は「肛門の位置はどこか」「お湯の温度がどれぐらいか」「どんな角度に当てるのか」という3点だったらしい。トイレにこもって、こればかり研究した人もいる。完成してみれば、脱臭、フタの自動開閉など「かゆいところに手が届く、至れり尽くせり」の日本人ならではのハイテクトイレと称賛され、人気のおみやげとなったわけだ。
世界に発信する「ONIGIRI」
鮨や天ぷらは和食の代表として定着しているが、こっちにも目を向けてほしいと訴えているのがおにぎりだ。去年(2014年)2月、一般社団法人日本おにぎり協会が設立された。おにぎりとは、日本が誇る「ファーストフード」であり「スローフード」であり「ソウルフード」であると定義して、国内外へ普及させていくとうたい上げた。
『おにぎりレシピ101』(1404円、ポット出版)は、それに呼応するように、東京で料理教室を主宰しているクッキングアドバイザーの山田玲子さんが、おにぎりを「ONIGIRI」として世界に発信していきたいと出版したものだ。最初から終りまですべて日本語と英語で書かれている。
101のレシピは、昔ながらの梅干しや鮭ばかりではなく、アボカドわさび醤油、黒豆・パルメザンチーズ、紅しょうが青のり、ピーナッツバター焼きなどバラエティーに富んでいる。鮨に続く和食として外国の人々から注目されるだろうか。
日本人が忘れたような美しい日本
日本人にとってスイスはあこがれの観光地だが、日本の美しさに魅入られて日本に移住したスイス人がいる。…