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今年4月から「新しいタイプの商標」が登録可能に今月に入って、「正露丸のラッパメロディーが商標登録出願された」と一部メディアで報道されました。これは、今年4月から「新しいタイプの商標」がわが国で登録可能となったことによるものですが、一体何が「新しい」のでしょうか?
詳しく見ていくにあたり、まず「商標」について説明します。商標とは、「自他商品」あるいは「役務(えきむ)識別標識」などと言いますが、簡単に言ってしまえば、自社の商品やサービス(以下「商品等」と言います)と、他社の商品等を区別するために付けたビジネス上の目印です。
従って、商標法においては商標が目印として機能するように、登録要件として大きく「他社と区別する能力があるか(自他商品等識別力)」「他社の商標と同一あるいは類似し混同が生じないか(商標の独自性)」、これら2つの要件を満たすことを条件に商標登録するとしています。
「音」のほか「動き」「ホログラム」など新しい5つが商標に
次に、「従来の商標」と「新しいタイプの商標」についてお話します。従来、商標法上の商標は「文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩の結合であって、業として商品等に使用するもの」と規定されており、その構成要素から、人間の知覚(視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚)のうち「視覚で捉えられるもの」に限定されており、さらに「静止しているもの」に限定されていました。4月から商標登録が認められるようになった商標は、「動き」「ホログラム」「色彩のみ」「音」及び「位置」に関する5つで、具体的には以下の通りです。
(1)動き商標=文字や図形等が時間の経過に伴って変化する商標。
(2)ホログラム商標=文字や図形等がホログラフィーその他の方法により変化する商標。「動き商標」及び「ホログラム商標」は、「静止しているもの」しか登録を認めなかった従来の商標に加えて、「動き」等の「変化」という構成要素も認めるものです。
(3)色彩のみからなる商標=単色又は複数の色彩の組合せのみからなる商標。
「色彩のみからなる商標」は、従来「色彩」は商標の構成要素のうち付随的要素であったものを、主要素として認めるものです。
(4)音商標=使われるサウンドロゴやパソコンの起動音など。正露丸のラッパメロディーはこれに該当します。「音商標」は従来、知覚のうち視覚のみに限定されたものを、聴覚にまで拡大するものです。…