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なぜ、たった月3000円台の貯金が「2%複利」の投資に匹敵するか

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なぜ、たった月3000円台の貯金が「2%複利」の投資に匹敵するか

 なぜ、たった月3000円台の貯金が「2%複利」の投資に匹敵するか

 ■なぜ「将来が不安」で運用は危険か
 「将来が不安なので、運用したいです」
 という人は少なくないかもしれません。実際、家計の相談現場でもよく聞かれる声です。しかしながら、私はこの考えはお勧めしません。気になるのは、「なので」の部分。
 将来が不安 →(なので)運用
 という構図に違和感がぬぐえません。理由はおもに2つあります。
 1つめの理由を説明するのに、簡単なシミュレーションをしてみたいと思います。
 月1万円を30年間、積立運用を行ったとしましょう。年2%で複利運用できたとすると、30年後の元利合計は約494万円になります。年3%であれば約584万円。投資元本は360万円ですから、それぞれ134万円、224万円も殖える計算です。
 これだけ殖えるとなれば、悪くありません。「運用はすべき」と考える人が多いのもうなずけます。
 しかし、こうも計算できます。
 それぞれのリターンを投資期間の360月で割ってみます。要はひと月あたりの平均リターンを求めるわけです。
 

 134万円÷360≒3,730円
 
 224万円÷360≒6,230円
 
 これで何がいえるかというと、1万円とは別に月3,730円ずつ毎月貯めることができれば、30年後には年2%で複利運用した場合とほぼ同じ額になる、ということです。月6,230円ずつであれば3%複利と同等です。
 値動きは一切ありませんから、安心、確実。ハラハラドキドキもありません。低いとはいえ多少なりとも利息が付くと思えば、多少こちらに分があるでしょうか。
 月1万円でリスクを取れるような方であれば、それ以外に3,730円や6,230円を捻出するのは難しくないでしょう。現実問題、無理のない数字だと思います。
 つまり、運用をする前に、まずは家計を引き締めましょう、ということです。これが、“なので運用”に疑問を感じるひとつめの理由です。
 平たくいうと、月3,730円や6,230円の「節約」は運用にも匹敵する、ということです。
 ■行動経済学で「あぶく銭は散在」
 といいつつも、私はあまり「節約」という言葉が好きではありません。「節約疲れ」という言葉があるように、どうも後ろ向きな印象があります。なんだか家計が縮こまる感じがしてしまいます。
 そこで、考えました。「節約」に替わるいい言葉がないものかな、と。
 収入は「使う」か「使わない(貯める)」のどちらかしかありません。
 「使わない」にフォーカスすると、「節約」という表現になるでしょう。…

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