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三洋電機が事実上の消滅

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三洋電機が事実上の消滅

 三洋電機が事実上の消滅

 

  パナソニック<6752>が傘下の三洋電気の子会社である三洋テクノソリューションズ鳥取を3月中にも国内の投資ファンドへ売却する方針を固めたことがわかった。この三洋テクノソリューションズ鳥取は、三洋電気が直轄している最後の電子機器生産の事業であり、売却されることにより、三洋電機は事実上消滅することになる。ただ、三洋電気の法人格は引き続き維持される。約10万人だった三洋電気社員も、現在は約200人しか残っておらず、早期退職を募っている他、パナソニックおよびパナソニックグループ会社へ4月1日に移籍となる予定である。

 

  三洋電機はGHQの公職追放令により松下電器を退いた、松下幸之助の義弟である井植歳男が1947年2月1日に、三洋電気製作所として創業。49年4月1日に三洋電気株式会社設立した。当初は自転車用発電ランプ「ナショナル発電ランプ」、昭和の三種の神器の一角となる洗濯機に着目し国内のシェアトップを誇った。リチウムイオン電池の世界シェア23%を持ち、超軽量アモルファス太陽電池を動力源としたソーラープレーンによる北米大陸横断に成功するなど、高い技術力が評価されていた。

 

  転機となったのが2005年に起きた新潟県中越地震により子会社が被災したことだ。500億円を超える損失を計上。同年11月総合家電メーカーから撤退し、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの2次電池や太陽電池を中心として事業の立て直しを図る。08年11月7日パナソニックが三洋電気を子会社化。パナソニックもリチウムイオン電池の世界的なシェアを8%持っており、両社が統合されることで米国のニッケル水素電池の売り上げをほぼ独占できるはずであった。だが、独占禁止法の審査に手間取り、この間、円高や中国・韓国といった新規の電機メーカーの台頭で三洋電機の米国での競争力が低下することとなり負債のみが残った。

 

  その結果、パナソニックと重複する事業はすべて売却。現在、三洋電気は三洋テクノソリューションズ鳥取が残るのみとなった。3月に三洋電気は事実上消滅をするが、その技術や事業は現在経営再建中であるパナソニックの重要な要素となるはずである。(編集担当:久保田雄城)

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