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[ワシントン 23日 ロイター] – 中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)をめぐり、当初は各国に参加を思いとどまらせようと働き掛けてきたとされる米政府だが、同盟国さえもその創設メンバーとして名乗りを上げたことを受け、協力を模索する方向へ舵を切り始めた。
米国はこれまで、統治基準や環境面・社会面での配慮が十分であるかを確認する必要性を訴え、AIIB参加を熟慮するよう各国に求めてきた。AIIBについては、世界銀行など米国主導で築いてきた国際金融秩序に対する挑戦との見方もある。
AIIBの創設メンバーとなるための期限は3月31日。22日には期限までに少なくとも35カ国が加わると公表された。米国の懸念をよそに、同盟国である英国やフランス、ドイツ、イタリアが参加を表明。オーストラリア、日本、韓国も参加を検討しており、米国はAIIBに対するスタンスを再検討せざるを得なくなっている。
政府高官はロイターに対し、「現時点での優先事項は、中国(主導)のインフラ銀と、世銀や国際通貨基金(IMF)など既存の国際金融機関の連携を模索することだ」と述べた。
シーツ米財務次官のコメントがそうした米政府の戦略転換を物語っている。シーツ次官は「世銀やアジア開発銀行といった既存機関と共同出資事業を行えば、質が高く実績に基づく基準が維持される」と述べた。
世銀のキム総裁は既に、AIIBとの協力方法を真剣に協議し始めていると明らかにし、「知識を共有し、アジア全域のプロジェクトに共同出資する」方針を表明していた。
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