日本銀行の黒田東彦（はるひこ）総裁は１７日の記者会見で、消費者物価の上昇率について、「エネルギー価格などの動向によっては若干のマイナスになる可能性も排除できない」と述べ、原油安を受けて物価が下落に転じることもあり得るとの見方を示した。

　　ただ、黒田氏は「今年も賃上げの方向が労使から示されるなど、物価を巡る状況は大きく変化している」と指摘。そのうえで、２％の物価安定目標については、「原油価格下落の影響が剥落するに伴って（前年比での）伸び率を高め、２０１５年度を中心とする期間に２％程度に達する可能性が高い」と強調した。

　　黒田氏は今月２０日に就任から丸２年を迎える。これに関して、「想定外のことで一番大きかったのは、原油価格の大幅な下落。おそらく世界中のほとんどの人が予測していなかった」と振り返った。