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[ニューヨーク 6日 ロイター] – 予想を上回る2月の米雇用統計を受けて、米連邦準備理事会(FRB)が今月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金利の道筋を示すフォワードガイダンスから「忍耐強く(patient)」の文言を削除し、6月の利上げに向けて地ならしを行うとの見方が強まっている。
2月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が29万5000人増と、予想の24万人を上回って増加したほか、失業率は2008年5月以来の水準となる5.5%に低下。今年に入り厳しい寒波に見舞われた米国だが、昨年とは違い、景気に減速の兆候が出ていないことを示した。
米リッチモンド地区連銀のラッカー総裁はこの日、「今回の雇用統計を受け、利上げ開始時期として6月が最適だと考えている」と述べている。
雇用統計を受けて、米国債利回りは大幅上昇。フェデラルファンド(FF)金利先物市場は、まだ9月利上げを見込む向きが多いが、6月利上げの見方も強まった。
CMEグループのフェドウォッチによると、FF金利市場が織り込む6月利上げの確率は21%と、前日の16%から上昇した。
ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートの資産配分責任者、トレーシー・マックミリオン氏は「予想を大きく上回る今回の雇用統計で利上げ開始時期が早まった」とみる。
またブラックロックのファンダメンタル債券部門の最高運用責任者(CIO)、リック・リーダー氏は「すべてのサイン」は6月か9月の利上げを示していると指摘する。
だが2月の時間当たり賃金は0.03ドル増、前年比では2%増にとどまり、賃金の伸びはなお鈍い。FRBは最近、利上げ時期を左右する要因として、弱いインフレへと焦点をシフトさせており、賃金やインフレの弱さで、FRBが利上げを思いとどまる可能性もある。
FRB当局者の過半数近くが6月利上げの可能性を排除しない。だが海外経済がディスインフレの状況にある中でも、賃金やインフレを十分に押し上げられるほど失業率が低下したのか、見極めの困難な課題が当局者を根強く悩ませている。
FRBが1月に示した当局者の長期失業率予想(中央値)は5.2━5.5%で、2月の失業率はFRB当局者が完全雇用と見なす範囲内に入った。だが一部の当局者は最近、長期失業率予想を引き下げている。
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