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全国規模で電力をやりとりするための司令塔として今月1日に発足した「電力広域的運営推進機関」(広域機関)の金本良嗣(かねもと・よしつぐ)理事長(元政策研究大学院大副学長)が21日、毎日新聞のインタビューに応じた。金本氏は「電力自由化が進み、競争が激しくなった時でも大停電などを引き起こさないため、安定供給を支える“番人”として全力を尽くしたい」と意気込みを語った。再生可能エネルギーの導入を促すための送電ルール見直しにも意欲を示した。【安藤大介】
広域機関は、全国各地の電力が足りているかどうかを監視し、災害などで電力が足りなくなった地域があれば、余裕のある地域に発電や送電を指示する。電力自由化で競争が激化した結果、発電事業者が投資を抑制するなどして構造的な電力不足が生じないよう、10年先を見据えた電力需給計画も作る。金本氏は「まずは需給の調整をしっかりやり、(電力自由化と安定供給を両立させるための)課題があれば提言する」と説明した。
現実には、送電システムが非効率なために、余っている発電所を生かし切れないケースもある。電気が余っているからと太陽光発電の買い取りを抑制した九州電力はその一例だ。
九電のケースでは、自前で発電した電気を他電力に流すことで、管内の再生エネ発電事業者から電力を買い取る選択肢もあった。しかし現在は、大手電力間を結ぶ連系線を使って他電力に送電する場合、前日までに予約しなければならないルールがある。災害による電力不足など緊急時の送電に備え、連系線に余裕を持たせるためだ。ただ、たまたま余った電力をすぐには他電力に送れないなど、その日の電力需給動向に応じた機動的な対応がしにくいデメリットもある。
金本氏は「連系線が再生エネのためにどれくらい使えるかを検討するのは、私たちの重要な役割だ。九州や北海道などで使い切れない電気を都市部に流すことができるかどうかだ」と指摘。他電力に電気を送る場合などのルールの見直しについても「検討課題になると思う」と述べた。
今後、学識経験者らで構成する第三者委員会で議論し、再生可能エネルギーで発電した電力を十分に活用できる電力システム作りを進める。
広域機関の職員の約4割は大手電力出身のため、中立性の維持も課題となる。
例えば再生エネ事業者が新しい発電所を大手電力の送電網に接続しようとしても、大手が承諾しないケースがある。そうした場合、広域機関は大手の判断が妥当か審査するが、審査担当者が大手電力出身だと、出身母体の意に沿った判断をしかねない。…