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*17:06JST 愛知銀行 Research Memo(12):第2地銀全体と比べて地元の資金需要の弱さが浮き彫りに
■業界比較
愛知銀行<8527>の成長性、及び収益性、財務健全性について、第2地銀41行全体を中心に比較してみた。
まず、成長性に関して、預金及び貸出金残高、業務粗利益の過去3年間(2012年3月期から2014年3月期)の平均伸び率を比較してみる。預金残高は、第2地銀全体よりも高い伸び率である一方、貸出金残高は緩やかな伸びにとどまっている。愛知県における製造業を中心とした中小企業の資金需要の低迷が、同行の伸び率にも影響していると考えられる。同行はあくまでも地元の中小企業向け貸出の強化にこだわる方針であるが、足元で資金需要に回復の兆しがあることから今後の伸びに注目したい。また、業務粗利益は、第2地銀全体が2014年3月期にプラスに転じたのに対して、同行はマイナス基調が続いている。ただし、第2地銀全体がプラスに転じた要因は、有価証券利息配当金の増加(預貸金収支はマイナス)によるものである。
収益性に関しては、業務純益率並びにコア業務純益率で第2地銀全体よりも劣位する水準にある。この要因は、預貸金利ざやと経費率(OHP)の差によるところが大きい。ただし、名古屋銀行<8522>、中京銀行<8530>などの愛知県を地盤とする他の地銀との比較では、預貸金利ざや、経費率(OHP)ともに同行のほうが優位に立っていることから、競合関係や物価水準等の外部環境による影響と見るのが妥当であろう。
財務の健全性に関しては、リスク管理債権比率は第2地銀全体と比べてやや高いものの、自己資本比率では優位に立っている。
なお、同行の資本効率を示す連結ROEは2.7%と十分な水準とは言えない。他の地銀もほぼ同じ水準であるが、同行は、財務の健全性の確保に一定の成果が挙げられたことから、今後は収益力の強化とともにROEの向上が課題となろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
《FA》