政治そのほか速
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やはり、と言うべきだろう。
川崎中1殺害事件で18歳、17歳の少年ら3名が逮捕され、世論は少年法の厳罰化に向かっている。これは、メディアが容疑者少年らの素性を暴いて、センセーショナルに報じるたびに起こる現象だ。そしてまたぞろ、政治家たちがこんなことを言い出した。たとえば、自民党の稲田朋美政調会長の発言だ。
「犯罪を予防する観点から、今の少年法の在り方でいいのかはこれから課題になる」
「少年が加害者である場合は名前も伏せ、通常の刑事裁判とは違う取り扱いを受けるが、(少年犯罪が)非常に凶悪化している」
実名の公開が「犯罪防止」に効果があるのかも非常に疑問だが、そもそも、未成年による犯罪が「非常に凶悪化している」というのは事実なのだろうか。
警察庁が公表している統計「平成26年中の少年非行情勢について」によれば、「凶悪犯」とされているのは、殺人、強盗、放火、強姦である。過去10年間の少年による「凶悪犯」罪種別検挙人数を見てみると、その総数は2005年(1441件)から2010年(783件)で下降線を辿り、その後はほぼ横ばいだが、2014年は703件で、過去最小の数字であった。人口比の面から少年犯罪全体を見てみても、グラフは明確に右肩下がりを示している。
こうした数値だけでも、未成年による犯罪が一概に「凶悪化」しているとは言えまい。だが、この事実を指摘すると必ず少年凶悪化論者から「件数ではなく最近は犯罪の中身がひどくなっている」という主張が出てくる。
しかし、これもかなり怪しい言説だ。たとえば、女子高生コンクリート詰め殺人や、神戸連続児童殺傷事件(酒鬼薔薇事件)など、80年代、90年代のほうが世間を震撼させるような少年犯罪が頻発していた。
その前、70年代だって同じだ。いや、「一億総中流」として国民が物質的に豊かな社会を謳歌し始めたこの時代、少年犯罪はもっとひどかった。82年に刊々堂出版社から刊行された『青少年非行・犯罪史資料』(赤塚行雄)という書籍から、少年・少女による「凶悪犯罪」のいくつかをピックアップしてみよう。
まずは未成年による殺人を見てみる。近年”ささいなことでキレる”少年・少女が増えたなどと言われるが、それがウソであることは、膨大な案件のほんの一部を取り上げるだけでも分かる。
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