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肝臓手術で患者が相次ぎ死亡した群馬大学病院第二外科(前橋市)。病院側は3日、腹腔鏡(ふくくうきょう)手術で死亡した8人について最終の調査報告書を公表し、全例で過失を認め謝罪した。
開腹手術の患者では、調査の過程で死亡した患者の診断書虚偽記載が判明。一連の問題の深刻さを浮き彫りにした。遺族は、切実な思いで事態の行方を見守っている。
「亡くなった人はもう帰ってこない。でも、とにかく真実が知りたい」
腹腔鏡手術を受け死亡した患者の遺族の女性は、心境をそう語った。
病院による調査報告の説明は受けたが、今も「どうしてこんなことに?」という疑問が消えない。大切な家族はもう帰って来ないが、過ぎたことと割り切れない思いが残る。女性は「本当は何が起こっていたのか知りたい。病院の一方的な話だけでは納得できない」と漏らし、悲しみの深さをうかがわせた。
記者会見では、野島美久(よしひさ)病院長が沈痛な面持ちで、「なぜもっと早く問題を把握して、対応できなかったのか。それが最大の問題だった」と振り返った。
閉鎖的な診療体制で、死亡例が相次いだことについて、「統括すべき診療科長の管理責任は重大だ」と言及。「他の診療科からの意見や批判にさらされることなく、チーム内でも症例の吟味や振り返りがなかった」とした。病院の管理体制についても「不備があった」と述べた。
会見には、野島病院長や永井弥生・医療の質・安全管理部長に加え、調査委員会委員長の峯岸敬副院長も出席。野島病院長が、最終報告書に基づいて個別の症例の問題点を説明した。