政治そのほか速
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渋谷区の同性パートナーシップ条例の成立は、差別や偏見に苦しんできた同性カップルの存在を国内で初めて公的に認めた点に大きな価値がある。性的少数者の職場での問題解決に取り組むNPO「虹色ダイバーシティ」(大阪市)の村木真紀代表は「(渋谷区が発行する)証明書の実質的な効力以上に、社会から承認されたという事実にとても勇気づけられる」と話す。
他の自治体への波及効果も小さくない。同じ東京の世田谷区や横浜市、兵庫県宝塚市では首長がパートナーシップ条例など性的少数者への施策の検討を表明。当事者自らが施策を求める動きも出始めており、今後さらに広がるとみられる。
ただ、両性の合意による婚姻を定めた憲法24条などを根拠に反対する意見もあり、欧米同様、こうした流れが同性同士による法律上の結婚につながるかは未知数だ。海外の同性パートナーシップ制度に詳しい京都産業大法科大学院の渡辺泰彦教授(民法)は「日本ではこの程度の内容であっても保守派を中心に反対論が根強く、大きな議論が必要だ」と指摘する。ただ、一方で「条例に大きな反応があったのは日本にも同性婚などについて話し合える素地があるということ。国レベルでどんな議論が始まるか注目したい」と話す。
パートナーシップ証明書の存在自体が自らのセクシュアリティーを公表することになるなど画期的な条例にも課題はある。同性愛者の人権が異性愛者と変わりなく認められる日まで、行政側はまず制度の理念や性的少数者についての正しい知識を周知することが求められる。【藤沢美由紀】