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<広島空港>「煙、死ぬかと思った」…アシアナ機滑走路逸脱

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<広島空港>「煙、死ぬかと思った」…アシアナ機滑走路逸脱

 <広島空港>「煙、死ぬかと思った」…アシアナ機滑走路逸脱

 雨に煙る夜の空港に、けたたましい救急車のサイレンが鳴り響いた。広島県三原市の広島空港で、14日午後8時5分ごろ、韓国・仁川(インチョン)発のアシアナ航空162便(エアバスA320)が着陸時に滑走路をそれて停止した滑走路逸脱事故。着陸寸前に尾翼が誘導装置の無線アンテナに接触、機体は衝撃とともに滑走路にたたきつけられた。一時はエンジンからも煙が出たといい、脱出した乗客は心配そうにけが人を気遣った。
 
  事故機のエアバスA320には乗客74人が搭乗、客席は半分ほどが埋まっていた。友人3人で2泊3日の韓国旅行を終えて帰国した広島市の会社員、岡崎みどりさん(52)は「着陸前、窓越しに右の主翼付近に炎のようなものが見えた。機内でも煙の焦げ臭いにおいがして、死ぬかと思った」と恐怖を語った。3人ともけがはなかったが、頭から血を流して救急車で搬送された乗客もおり、「腰が抜けそうだった」と話した。
 
  ロシア人の男性乗客も「何が起きたのか分からなかった。エンジン部分に火を見た。自分も信じられなかったが、みんなもそうだったろう。ロケットに乗っているような気分だった」と不安そう。
 
  3歳の娘と搭乗していた広島県福山市の保育士、那仁(ならん)真紀さん(46)は到着10分前から機体がかなり揺れるのを感じていた。着陸時に「バーン」という音がして、衝撃で前の座席で頭を打ち、額を切った。
 
  隣の娘の体をとっさに手で押さえたが、機内には悲鳴が上がった。客室乗務員が「早く降りてください」と叫び、ドアから脱出した。「機体前方のドア付近から白い煙が入ってきて、爆発すると思った」と緊張した様子。
 
  幼い子供を連れた日本人の女性(34)は着陸時に「ドーン」という音が聞こえて、機体が止まって窓の外を見ると炎と煙に気づいたという。「到着前から、窓から濃い霧が見えて、着陸できるのか心配していた」と話した。
 
  インドネシア旅行の帰りに仁川経由で広島に戻ってきた広島県庄原市の農業、新宅道和さん(58)は脱出する際に首をひねるけがをした。広島に到着する手前から気流の影響で機体が上下に揺れるのを感じた。着陸直前には乗客から「キャー」と悲鳴が上がった。着陸後に機体が停止すると、客室内には煙が充満。「冷静に脱出できたが、こんな事故に遭うなんて現実感がない」と振り返った。
 
  日本人男性(29)は「衝撃の後、機内は電気が消えて、煙が充満した。顔から血を流している人もいた。…

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