政治そのほか速
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「3年前に病気で亡くなった妻の分も慰霊したい」。東京大空襲から70年の10日、東京都江戸川区の椎橋清さん(81)は、そう言って手を合わせた。空襲で妻の家族は全員犠牲になり、疎開していた妻だけが生き延びたという。「炎で真っ赤に染まった空の中で、低空飛行する爆撃機をはっきり覚えている。妻は両親や姉らを失い、ずいぶん苦労したと話していた。戦争だけは本当に嫌だ」
戦後50年を区切りに参列をやめていたという東京都国立市の女性(82)は、「一つの区切りとして」、20年ぶりに姿を見せた。義理の両親を空襲で失い、以前は毎年、夫と一緒にこの日に慰霊堂を訪れていたという。「夫も10年前に亡くなった。戦争の悲惨さを知る人が少なくなっているのが心配」と静かに語った。
東京都江戸川区の木村暢生さん(81)は、東京大空襲で両親と兄弟3人を亡くした。木村さん自身は浜松市に疎開して無事だったが、本所区(現在の墨田区)にあった自宅は全焼していた。半年後、疎開先で葬式を出したが、遺骨が見つからなかったため、焼け跡から掘り出した茶わんを骨つぼに入れたという。「非戦闘員を狙った空襲は本当にひどい。70年は一つの区切りだが、今はただ、安らかに眠ってほしいという気持ちだけです」と話した。
歴代首相で初めて安倍首相が参列したことについて、西東京市の三ツ木康二さん(79)は「今さら来ても、という感じであまり興味はない」。国立市の女性は「平和というものに関心を持ってくれたら、それだけでうれしい」と話した。【大迫麻記子、川上晃弘】