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第184回 ソメイヨシノと天気と視点の関係

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第184回 ソメイヨシノと天気と視点の関係

 第184回 ソメイヨシノと天気と視点の関係

 桜の季節である。桜の撮り方って難しいのだよな。いろいろな撮り方ができる上に、天候やセッティングでガラっと雰囲気が変わる。だからこそ撮って面白いんだけど、一言でこう撮るといいよ、といえないのだ。いや、どう撮ると桜が華やかにきれいに撮れるか、というテクニックはあるのだけど、そればかりでは面白くないではないか。
 
  というわけで、恒例の桜写真である。
 
 ●ソメイヨシノの発祥の地、江戸の染井村(だった場所)へ
 
  明治以降、桜といえばソメイヨシノである。開花宣言もソメイヨシノを基準に行われる。実はこれ、江戸時代に人工的に作られた「園芸品種」。桜って野生種もあれば、人工交配で作られた園芸種もある。さらに、野生種どうしが自然交配して新しい品種になりやすいそうで、とにかく種類が多いのだ。
 
  江戸時代までは桜といえば「吉野の桜」。奈良の吉野山に咲く桜で、古くから歌にも歌われてきた。品種的にはヤマザクラ。野生種だ。それに対して江戸時代に作り出されたのがソメイヨシノだ。漢字で書くと「染井吉野」。もともと「吉野」という名前で売りに出されたが、吉野山の桜とはまったく関係がなく(いわゆる「あやかって」つけた名前)、それはあまりに紛らわしいということで、明治33年に「染井吉野」と命名された。
 
  染井は地名。染井村で作られたから。地元では「江戸時代末期に染井村の植木屋伊藤伊兵衛により吉野桜として売り出されました」とあるが、もうちょっと早く、1730年頃に染井村の植木職人が作ったという説もある。
 
  ソメイヨシノは葉より花が先に付くので見た目が華やかなことや、生長が早いことから重宝されて、明治以降に一気に全国に広がったわけである。
 
  そういわれると染井村(だった場所)に行ってみたくなるではないか、ということで行ってみた。といっても、当時の植木屋が現存するわけではなく、桜の名所だったというわけでもないのだが、近年、「ソメイヨシノ発祥の地」として売り出しているようで随所に桜の花や歴史案内板が用意されている。ソメイヨシノについて知りたい人にはちょうどよい。
 
  最寄り駅は山手線か地下鉄南北線の駒込駅。そこから北西方向が元染井村。今の駒込3丁目、6丁目、7丁目あたりとなる。染井って地名を無くしちゃったのはもったいなかったね。
 
  お勧めは染井稲荷から染井霊園のあたり。染井稲荷は小さな神社だが、江戸時代初期の創建。赤い屋根の拝殿前に大きなソメイヨシノが植わってる。…

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