政治そのほか速
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齋藤祐子[神奈川県内公立劇場勤務]
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以前から参加してみたいと思っていたビブリオバトル(「書評合戦」とでもいうのか)に参加してみた。
今回参加したビブリオバトルは、バトラーと呼ばれる参加者の前で、5分間の持ち時間で書評を発表する役割の人(投票者と発表者が分かれる場合はバトラーと呼ばれるらしい)は中学生と決められており、筆者はどのバトラーのすすめる本を読みたいかに投票する観客兼投票者という役どころ。
もちろんバトラーの中学生も投票権を持っている、ただし自分の本以外に投票のこと、というルールである。
ビブリオバトルには、全員がバトラーでかつ投票者という数人規模のものもあって、参加者数でやり方を変えられるようだ。今回、投票者として参加してみて非常に興味深かったのは、どういう本がチャンプ本(もっとも読みたがる人が多かった本をこういうらしい)になるのかとか、受けやすいやり方があるのか、という素朴な疑問になんとなく回答が得られたからだ。
予想のつくことなのだが、チャンプ本に選ばれるにはいくつかの条件がある。まず第1にバトラーの発表の仕方がうまいこと。
2つ目はバトラーの思い入れや押し、本への愛情が参加者の心の琴線に触れること。
3つ目は、当然といえば当然だが本そのものの魅力があること。全部をカバーしていれば、人の心に届きチャンプ本に選ばれる確率が高くなる。
投票者はたいがいは本好きの人たちである。年齢層も男女の別も様々ではあるがこの手の催しに参加するからには、日ごろから多少とも本を読む習慣があると考えられる。図書館や書店での開催も多い。
とはいえ、もちろん読書好きでない人でも参加できるし、公式ホームページによれば、
「ビブリオバトルとは人を通して本を知る、本を通して人を知る、コミュニケーションゲームの一種」
であるらしい。いわく、
「自分の好きな本というだけでは共感を得にくい」とか、「他人の評価を知ることで自分の物の見方が一面的であることに気づく」
などの効能もあるそうだ。(公式HP:http://www.bibliobattle.jp/)
今回参加したビブリオバトルでも、いかにも中学生が好きそうなライトノベルを取り上げたバトラーがいたが、そのラノベが当人にはとても面白かったことはわかるのだが、会場の投票者の心を揺さぶるには、やや力が足りなかった。
その本がラノベだからというわけではなく、人を説得するには、やはりその本の面白さを他人に伝えるためのひと工夫、切り口なり何なりが必要になるということだろう。…